新パワーユニットのテストベンチを終えたアルピーヌF1「我々は大きな飛躍を遂げることができる」

 2022年シーズンの開幕に向けて新パワーユニットのテストベンチを終えたアルピーヌは、今季のさらなる飛躍に期待を高めている。

 大幅なレギュレーション変更が実施される2022年シーズンのF1だが、それは車体面にとどまらない。バイオエタノールの割合を10パーセントにまで高めた、E10と呼ばれる新燃料を使用することもその一つだ。

 この規則変更によるパワーダウンは避けがたく、各パワーユニット・マニュファクチャラーはその対応に追われている。さらに、2022年シーズンの開幕時点から3シーズンに渡ってパワーユニットの開発は凍結されることになっており、開幕前の開発はこれまで以上に重要だ。

 そんな中、アルピーヌが今シーズンから投入するルノーの新パワーユニットは、テストベンチで信頼性を除いては満足いく結果を残したようだ。

 ドイツのAuto Motor und Sportによると、テストベンチの結果を確認したスタッフは、「エンジンを安定させることができれば、我々は大きな飛躍を遂げることができるだろう」と語ったという。

 ルノーはコロナ禍の影響で、当初2021年に予定されていた新パワーユニット投入を1年後ろ倒しにしている。つまり、第11戦ハンガリーGPでエステバン・オコンが優勝し、コンストラクターズランキング5位でシーズンを終えた2021年シーズンは、旧型のアップデート版で戦っていた。

 エグゼクティブディレクターのマルチン・ブコウスキーは、この成績について「(PUを除く)他のすべての部分で向上が見られたことを意味している。そして、それは2022年シーズンにつながるかもしれない」とAuto Motor und Sportに語った。

 同誌は昨年度のメルセデスとルノーのパワーユニットには35馬力の性能差があったと試算している。まだ信頼性に疑問が残るとはいえ、新パワーユニットでこのギャップを縮めることができれば、アルピーヌの2022年シーズンの躍進につながることは間違いない。

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