「僕が歩んできた野球人生はご縁」 広島・大瀬良大地 FA行使せず残留、新選手会長として決意

新選手会長として決意を語った大瀬良=広島市、マツダスタジアム

 プロ野球の広島で昨季まで3年連続開幕投手を務めるなどエースとして活躍を続け、今季からは選手会長も務める大瀬良大地(桜が原中-長崎日大高-九共大)。30歳を迎えた昨季はプロ8年目で自身5度目の2桁勝利(10勝5敗)をマークした。国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留し、一層の飛躍を誓う右腕に新年の決意や母校、古里への思いなどを聞いた。

 -昨季は右脚痛で前半約1カ月の離脱もあった中で2桁勝った。収穫と課題を。
 (2020年秋に)肘の手術をさせてもらって覚悟を持って臨んだが、またけがをして離脱することになって非常に悔しかった。2桁と規定投球イニングに乗れたというのは先発として最低限の仕事はできたと思う。
 だけど、投手キャプテンで臨んだシーズンでもあったので、求めてもらっている数字ではないし、2年連続で離脱してしまったことも全く納得できなかった。体を万全に整えて、けがをしないというところを考えてやっていかないといけない。

 -FA権を行使せずに残留。その思いは。
 いろんなことを考えて、まあ金銭面とか、もしかしたらそこを求めるなら出た方が良かったのかなという思いもあったが、僕が歩んできた野球人生というのは、人と人とのつながりであったり、ご縁の中で育ってきて支えてもらってやってこれた。やっぱりそういったものを野球をやっている以上は大切にして、そういう人たちのために頑張っていきたいなと思ったので残留を決めた。

 -選手会長も務める今季への決意を。
 昨季の投手キャプテンで視野が広がり、いろんなことを考える1年になったが、やっぱり選手会長というのは、もっともっと深いところでチームのことを考えたり、行動に移したりしていかないといけない立場。もちろん個人の成績を残さないといけないが、そうした仕事をしっかりしてチームのためになるように頑張りたい。

 -母校の長崎日大高が昨秋の九州大会で4強。活躍をどう見たか。センバツ出場を信じて待つ後輩たちへメッセージを。
 頑張っているなという気持ちで速報を見ていたりした。最後(九州大会準決勝)はちょっと残念な形で終わってしまったが、きっと大丈夫だろうと思っている。久々に甲子園球場で長崎日大のユニホームが見られるというのを、僕も信じて願って吉報を待ちたい。
 ここ最近(長崎県は)いろんな強いチームが出てきたりと、レベルの高い県になっていると思うので、非常に難しさはあったと思う。そこで打ち勝って九州ベスト4まで残ってくれた。やっぱり励みにもなったし、もっともっと頑張って彼らに勇気ややる気というか、そういったものを与え続けていきたいなと、より強く思っている。

 -長崎県民へ。
 コロナもあって大変な思いをされている方もたくさんいると思う。僕は何とか野球で何かを伝えていくことしかできない。できるだけいい情報やニュースを長崎県に、みなさんに届けて、活力にしてもらいたいと思っているので、また精いっぱい頑張っていきたい。

 【略歴】おおせら・だいち 小学4年で野球を始め、大村市立桜が原中から長崎日大高に進学。3年夏の長崎大会で、今村猛投手を擁する春の選抜王者の清峰を倒して甲子園に出場した。九共大では福岡六大学野球でMVPを3回獲得。2013年ドラフト会議で3球団から1位指名を受けて広島に入団。1年目から10勝を挙げて新人王に輝いた。8年目の昨季までの通算成績は205試合(993回)67勝44敗2セーブ24ホールド。187センチ、90キロ。背番号14。


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