セバスチャン・ブルデー、初のWECフル参戦へ。新興ベクター・スポーツからLMP2クラスに挑む

 元F1ドライバーで4度のチャンプカー王者でもあるセバスチャン・ブルデーが、新たに結成されたイギリス籍のベクター・スポーツから、2022年のWEC世界耐久選手権・LMP2クラスにフル参戦することになった。

 チームは、アウディの2023年LMDhドライバーでもあるニコ・ミューラーを起用しての新規参戦を昨年発表しており、ブルデーはそのふたり目のドライバーとなる。

 デイトナ24時間、そしてセブリング12時間でも優勝経験を持つフランス籍のブルデーが、現行WECにフルシーズン参戦するのはこれが初。ブルデーがル・マン24時間以外のWECのレースに参戦するのは、ペスカローロから出場した2012年のスパ戦以来となる。

 2021年、NTTインディカー・シリーズに参戦したブルデーは、2022年はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でもキャデラック・チップ・ガナッシ・レーシングのキャデラックDPi-V.Rをドライブすることになっており、LMP2とDPiに同時並行参戦することになる。

「デビューシーズンにセブが加わることを、とてもうれしく思う」とベクター・スポーツのチーム代表、ゲイリー・ホランドは述べている。

「あらゆるカテゴリーのレースにおける彼の膨大な経験は、経験の浅い我々にとって貴重な財産となるだろう。セブが我々とともにWECのシーズンを戦うことを許してくれた、キャデラックとチップ・ガナッシ・レーシングに感謝したい」

 LMP2をベースシャシーとするDPiのドライブ経験はあるものの、ベクター・スポーツでのWECプログラムがブルデーにとっては初のLMP2クラスでのレースとなる。オレカ07・ギブソンを使用するベクター・スポーツの、シルバー・レーティングのドライバーについてはまだ明らかにされていない。

「LMP2は非常に巨大で競争の激しいカテゴリーであり、どれくらいの期待が現実的であるかを知るのは難しいが、とてもエキサイティングなものになるだろう」とブルデーはコメントしている。

「車両の面では、(DPiとLMP2は)ほとんど同じようなものだ。僕はニコをはじめとした何人かのクールなチームメイトと一緒に仕事をすることになる。WECで走ることは素晴らしい経験になるだろう」

「2020年にリシ・コンペティツィオーネのクルマをル・マン24時間で走らせたとき、ゲイリー・ホランドと知り合った。だから彼が連絡をくれたとき、すぐに(今回のフル参戦に)興味を持ったんだ」

「ル・マンでプロトタイプを走らせることができるのは素晴らしいことだ。ベクター・スポーツのプログラムは、(IMSAでの)キャデラック・チップ・ガナッシ・レーシングとの契約をうまく補完するものになる。忙しい2022年シーズンが待ちきれないよ」

2021年はトリスタン・ボティエ、ロイック・デュバルとともに、IMSAのセブリング12時間レースを制したブルデー

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