「もろぶた」頭にかざして御利益を 五島・崎山 伝統行事「お守りさん」

「もろぶた」をかざしてもらう住民(右)=五島市上崎山町

 長崎県五島市崎山地区の正月の伝統行事で、経文を住民にかざして1年間の無病息災などを祈願する「お守(も)りさん」が10、11両日あった。
 経文は、平家の落人が持ち込んだとされ、向町の大通寺が所蔵。「もろぶた」と呼ばれる四角い容器に経文やウメの小枝を載せ、頭上にかざすと御利益があると伝えられている。
 はかま姿の地区の役員らが、大通寺でお祈りを済ませた後、経文などをもろぶたに載せ出発。民家を1軒ずつ回り、玄関先で出迎えた住民の頭上にもろぶたをかざして、無病息災や家内安全を祈願した。
 10日は上崎山町一帯の約200世帯を巡回。訪問を受けた同町の境目一枝さん(82)は「新型コロナが早く収束し、健康で過ごせるよう願っている」と話した。

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