新年の健康願い泳ぎ初め  ねずみ島 長崎游泳協会 

万歳で締めくくる游泳協会のメンバー=長崎市小瀬戸町

 新たな年の健康を願う伝統行事、NPO法人長崎游泳協会(田中直英理事長)の寒中水泳が3日、長崎市小瀬戸町の皇后島(通称・ねずみ島)であり、小中学生や指導者ら約30人が真冬の海で泳ぎ初めをした。
 同協会は今年創立120周年。水泳教室で古式泳法「小堀流踏水術」を伝承し、寒中水泳を稽古始め式として毎年実施している。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止したため2年ぶりに開催した。
 気温7度、水温13度の寒さの中、参加者は体を震わせて入水。立ち泳ぎをしながら筆書きする「水書」では、約1畳分の紙に1人で書き上げる「大水書」に75年ぶりに取り組み、「長崎游泳協会」としたためた。代表者が1人1文字ずつ書く「連書」では「祝創立120周年」の文字を6人で完成させ、海上に掲げた。水上で弓を引く「水弓」も50年ぶりに実施。最後は全員で泳ぎ、万歳三唱した。

立ち泳ぎしながら「長崎游泳協会」と書き上げた大水書=長崎市小瀬戸町

 初めて連書に挑戦した長崎大付属中2年の山田善稀さん(14)は「寒くて手が震えたけれど、体も心も引き締まった」と笑顔で話した。
 行事の前には、浜辺に設置された同協会創立120周年記念碑の除幕式もあった。


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