警戒度「レベル2」に引き上げ 一家族一旅行は新規販売停止 栃木県

臨時記者会見で感染対策の徹底を呼び掛ける福田知事=12日夕、県庁

 県は12日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、新規感染者の急増を踏まえ県の警戒度を「レベル2(警戒を強化すべきレベル)」に1段階引き上げた。期間は13日~31日。感染拡大防止のため、割引対象を隣接県に拡大した「県民一家族一旅行」の新規販売を18日から停止することも決めた。

 11日現在、病床使用率や直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数など、主要4指標のうち3指標がレベル2の水準に達している。昨年12月下旬以降クラスター(感染者集団)が頻発していることや、新変異株「オミクロン株」の市中感染が複数発生している状況なども考慮した。新指標による警戒度の導入後、レベルを引き上げるのは初めて。

 県民には大人数での会食に際しては慎重に判断することや、感染が急拡大している沖縄、広島県などまん延防止等重点措置区域への移動を控えることなどを求める。「一家族一旅行」事業は、今後本県がまん延防止等重点措置の対象地域となった場合、既存予約分の利用を停止する考えも示した。

 また、ワクチン接種を加速させるため、足利市の大型商業施設「ビバモール足利堀込」に4カ所目の県営会場を開設する。開設日は2月5日から毎週土・日曜。オミクロン株の感染流行に備え、経口治療薬を処方できる医療機関を約100カ所、薬局を約120カ所確保し、今後さらなる拡充を目指す。臨時医療施設は5施設を設ける。今月中旬~2月上旬にかけ準備が整い次第順次開設し、県央と県南の各1施設を先行して運用する。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の記者会見で「新規感染者数の急増で医療負荷が高まれば、より強い行動制限をお願いすることになる。これ以上の拡大を阻止するため、基本的な対策を徹底してほしい」と呼び掛けた。

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