もっとパンダが好きになる! 意外と知らない“パンダの秘密”

上野動物園の双子パンダの一般公開が、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大の影響で、1月12日から3日間の期間限定で始まりました。公開される3日間のチケットの倍率は348倍にもなるなど大人気ですが、ジャイアントパンダについて意外と知らないことも多いかもしれません。“上野のアイドル”パンダの生態や魅力をまとめました。

なぜパンダは竹やササを食べているのでしょうか。

今回参考にしたのが「教科で学ぶパンダ学」(今人舎/刊)です。上野動物園の元園長・小宮輝之さんが監修していて、パンダの生態を詳しく紹介しています。

まずパンダの体の秘密です。パンダといえばかわいい丸い顔が特徴的ですが、実は硬い竹をかむために筋肉が発達した結果、丸顔になったのです。上野動物園の公式ツイッターの画像を見てみると、顎の骨の写真はほっそりしていますが、全体に筋肉が付いて丸いフォルムとなっているのが分かります。

また、パンダのしっぽの色は「白」です。全体の白黒模様は、野生のパンダが生息する場所が雪の深い山中のため保護色になっているのと、竹やぶの中でも輪郭が分かりにくく襲われにくい効果があるためと考えられています。パンダのキャラクターやグッズでは黒く塗られているものも多くありますが、実際には白いのです。

パンダの"ちょっぴり悲しい生態”も紹介します。パンダの毛はもこもこしているように見えますが、なでるとゴワゴワしていて、脂がべったり付くのだそうです。これは保温のために役立っているのです。また、木に登るのは得意ですが、下りることができず、結局どすんと落ちることも多いといいます。毎週公開されている上野動物園の動画で、パンダが落ちているシーンがよく見られますが、あれは「下りられない」ためです。その不器用なところもかわいらしさの一つかもしれません。

パンダは竹を1日に12キロから16キロ食べないと生きていけませんが、そのほとんどを栄養として吸収できていません。進化の過程で、自然界の縄張り争いに敗れ、他の動物が見向きもしない竹を食べるようになったと考えられています。竹が主食のパンダですが、野生のパンダでは数十年に1回、餓死の危機にさらされるといいます。これは竹は数十年に1回、一斉に開花時期を迎え、花が咲くと枯れてしまうためで、実際に1970年代に中国で野生パンダが大量に餓死する事態も発生しています。本来パンダは雑食なので肉も食べますが、狩りも苦手で、結局、竹が食べたいようです。

上野の書店には「パンダコーナー」ができるほど多くの「パンダ本」が置かれ、今は実際に会えない寂しさを紛らせてくれそうです。中でも人気なのが「パンダ自身」(光文社/刊)です。雑誌「女性自身」を出版している会社が雑誌と同じようなデザインでパンダに特化した本を出版しています。2021年12月には3冊目ならぬ「3頭め」も出版されています。

「パンダ自身」の中でも紹介されているのが、10年以上にわたって毎日上野動物園に通い、パンダの写真を撮影して「毎日パンダ」というブログにアップしている高氏貴博さんの写真撮影テクニックです。高氏さんによりますと、押さえておきたい撮影ポイントは、まず「とにかく連写して、帰ってから見返し、ベストショットを探す」ことです。携帯電話での撮影ならば、一瞬も見逃さない「動画機能」がお勧めだということです。そして「パンダの目線から動作を先読みする」ことも、いい写真をとるこつだといいます。ただし「ルールを守って、みんなでパンダを共有する」という気持ちは忘れないようにしてほしいと高氏さんは呼び掛けています。

最後に、現在の双子パンダを見分ける方法としては「青い線が着色されている」のが雄のシャオシャオで、色のないのがレイレイだということです。ただし青いラインがいつまで付けられているのかは明らかにされていません。青いラインが入れられるようになったきっかけは、飼育因果モニター越しに区別しやすいようにということのようです。

上野動物園は「感染状況が落ち着けば双子の公開を再開したい」としています。コロナの感染が収束し、早く直接会える日が訪れることが待ち遠しいですね。

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