長崎の食文化を肌で体験 県主催モニターツアー、誘客へPR

古くから伝わる菓子の魅力を聞く参加者=長崎市諏訪町、岩永梅寿軒

 長崎県内外の旅行業者らを招き、本県特有の食文化を体験するモニターツアー(県主催)が12日、長崎市内で始まった。初回は、古いたたずまいが魅力の市中心部の商店街を散策した後、老舗料亭でしっぽく料理を堪能。鎖国時代、海外との交易窓口として発展してきた長崎の食文化を肌で知り、誘客につながる旅行商品の開発やPRに生かしてもらう狙い。
 県が昨年、文化観光推進法に基づき策定し、文化庁に認定された地域計画「キリシタン文化をはじめとした海外交流史による学びと感動」の一環。モニターツアーは2月上旬まで計4回実施する予定。
 初回は東京、名古屋、福岡、長崎市の旅行業者や雑誌編集者計6人が参加。県長崎学アドバイザーの本馬貞夫氏が、西洋や中国に由来する長崎の食文化を説明しながら、国重要文化財「眼鏡橋」周辺のまちなかを歩いた。和菓子店の岩永梅寿軒では、7代目の岩永晃典さんが語る伝統菓子の魅力に耳を傾けた。
 料亭一力では、豚の角煮やハトシなどのしっぽく料理に舌鼓を打ち、長崎検番の芸妓衆(げいこし)と歓談。本馬氏は「長崎には多様な料理があり、格式が高い料亭を通じて文化が育まれた」と話した。

しっぽく料理を写真に収める参加者=長崎市諏訪町、料亭一力

 東京の旅行業者は「料亭の魅力がじかに分かり、ツアーに組み込みたい」、雑誌編集者は「みそが甘く作られているということに興味が湧いたが、料亭が減少していることは残念」と感想。別の旅行業者は「専門知識が重視される『文化』をテーマにした商品はハードルが高いと感じた」「しっぽく料理はおいしいが、団体ツアーに組み込めるようなリーズナブルな場所があったら、お客さまに喜んでもらえる」と話した。

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