韓国紙「大韓航空が300億円規模のサムライ債を発行へ」「日本の投資家は保守的、全額調達できるか見守る」

大韓航空が約300億円規模のサムライ債(外国企業が日本で発行する円債)を発行するとの報道が出ている。

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ソウル経済紙は13日、投資銀行業界への取材をもとに、「大韓航空は21日に300億円規模のサムライボンド発行を控え、14日に投資家を相手に需要予測(プライシング)を進めることにした」とし、「主管社は日本の大和証券とみずほ銀行だ」と報じた。満期は3年で最初の提示金利は年0.45%になるとのこと。韓国各紙も報じた。

同紙は「今回の発行金利は大韓航空が国内(韓国)で発行するより約4%ポイント低い水準」であるとし、日本の「市中債権金利が米国や韓国に比べて極めて低い」ことが、大韓航空がサムライ債を発行するメリットであると分析している。

ソウル経済は、大韓航空が韓国輸出入銀行の保証を受けて「AA-」等級で社債を発行するとしており、「日本市場の投資家たちは保守的傾向が強く、自国民に馴染みのある企業でなければ投資を嫌がる傾向があるからだ」「外国企業であるほど優秀な信用度が必要だ」と伝えている。

一方で「ただし、韓日間の葛藤が続いているうえ、大韓航空のアシアナ航空買収に対する不確実性などで目標金額をすべて調達できるかは見守らなければならない」とする業界関係者のコメントも同紙は伝えた。

新型コロナウイルスの影響を受けた大韓航空は、2020年に機内食事業部を、2021年にリムジンバス運行事業を、そしてソウル市にある敷地などを相次いで売却して現金を確保している。それら動きもあり、企業の現金流動性を示す指標である流動比率は、2019年末の40.7%から昨年第3四半期の72.5%に改善された。同期間の負債比率も871.5%から308.6%に大きく減っている。

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