「300-300」達成者はメジャー史上8人だけ ボンズは親子で達成

メジャーリーグにおいて、パワーとスピードを兼ね備えた好選手の基準としてよく用いられるのが「30-30」だ。これは1シーズンに30本塁打と30盗塁を同時に記録することを意味し、昨季の達成者はセドリック・マリンズ(オリオールズ)だけだった。ちなみに「40-40」の達成者はメジャーリーグの長い歴史のなかでわずか4人しかいない。メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモン記者はこれを通算成績にスケールアップし、「300-300」の達成者8人を紹介する特集記事を公開している。

2021年シーズン終了時点で通算300本塁打の達成者は152人、通算300盗塁の達成者は151人である。しかし、この両方を達成した選手は通算本塁打の多い順にバリー・ボンズ(762本塁打・514盗塁)、アレックス・ロドリゲス(696本塁打・329盗塁)、ウィリー・メイズ(660本塁打・338盗塁)、アンドレ・ドーソン(438本塁打・314盗塁)、カルロス・ベルトラン(435本塁打・312盗塁)、ボビー・ボンズ(332本塁打・461盗塁)、レジー・サンダース(305本塁打・304盗塁)、スティーブ・フィンリー(304本塁打・320盗塁)の8人だけ。わずか8人ということを考えると、サンダースやフィンリーのような比較的地味な選手も、もっと高く評価されていいのではないかという気がしてくる。

この8人のなかでは、やはりボンズ親子の名前が目に留まる。メジャー史上8人しか達成していない「300-300」を親子で達成しているのは驚異の一言だ。父ボビーは1968年から1981年まで14年間にわたってジャイアンツやエンゼルスを中心に活躍。メジャー2年目の1969年にいきなり32本塁打と45盗塁を記録するなど「30-30」を5度も達成した(息子バリーと並んでメジャー史上最多タイ)。キャリアハイのシーズンとなった1973年には39本塁打と43盗塁を記録し、メジャー史上初の「40-40」達成まであと一歩に迫っている。

息子バリーはメジャー史上唯一の「400-400」にとどまらず「500-500」をクリアした。1998年に史上初の「400-400」を達成したにもかかわらず、マーク・マグワイアとサミー・ソーサの本塁打レースばかりが注目を浴び、自身の快挙がほとんど話題にならない現実に直面してステロイドの使用を決意したのは有名な話である。1996年には42本塁打と40盗塁を記録し、1988年のホゼ・カンセコに次ぐ史上2人目の「40-40」を達成(1998年にアレックス・ロドリゲス、2006年にアルフォンゾ・ソリアーノも達成)。身体が巨大化してからは盗塁数が激減したものの、2003年に通算500盗塁の大台に到達した。ステロイドの使用を開始する時点で史上唯一の「400-400」を達成していた男が殿堂入りを果たせずにいるのは何とも残念な話だ。

なお、サイモン記者はこの8人以外に「300-300」の達成に迫った8人の選手もリストアップ。リッキー・ヘンダーソン(297本塁打・1406盗塁)、クレイグ・ビジオ(291本塁打・414盗塁)、アルフォンゾ・ソリアーノ(412本塁打・289盗塁)、ボビー・アブレイユ(288本塁打・400盗塁)、ドン・ベイラー(338本塁打・285盗塁)、エリック・デービス(282本塁打・349盗塁)、ライン・サンドバーグ(282本塁打・344盗塁)、マイク・キャメロン(278本塁打・297盗塁)の名前が紹介されている。

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