南太平洋・トンガ沖で15日に起きた大規模噴火の影響は神奈川県内にも及んだ。相模湾・三浦半島に津波注意報が発表され、沿岸市町はウェブサイトなどで海岸に近づかないよう呼び掛けた。県によると、被害の報告は寄せられてないが、三浦市の三崎漁港で40センチの潮位変化が観測された。
高さ1メートルとの津波注意報が出たのは、三浦半島から湯河原町にかけての相模湾沿岸部。東京湾側は20センチ未満と予想された。気象庁によると、三崎漁港で16日午前3時1分ごろに40センチ、油壺では同21分ごろに30センチの海面変動があった。
自主的に高台へ逃れた住民もいたが、県の集計では沿岸市町から避難指示などは発表されなかった。藤沢市内のある自治会長は「市から避難の呼び掛けがなかったので、住民にも避難を求めなかった。本当に津波が来るのか分からず、対応が難しかった」と話した。
横須賀・久里浜港と千葉・金谷港を結ぶ東京湾フェリーは始発から18便が欠航。津波注意報解除後の午後3時台に運航を再開した。三浦市・三崎港と城ケ島を結ぶ渡船と、同港を発着する水中観光船は終日欠航した。