全国高校柔道選手権県大会 男子・長崎日大3大会ぶりV 女子・長崎明誠13連覇

【男子団体決勝、長崎日大-長崎南山】背負い投げで一本を奪う長崎日大の副将木村(上)=県立武道館

 柔道の第59回県高校選手権兼第44回全国選手権県大会最終日は16日、長崎県佐世保市の県立武道館で男女の団体戦が行われ、男子は長崎日大が3大会ぶり18度目、女子は長崎明誠が13大会連続14度目の優勝を飾った。両校は全国大会(3月20、21日・東京)の出場権を得た。
 昨年はコロナ禍で団体戦は中止されたため、2年ぶりの開催。男子14、女子8校がエントリーした。男子は例年、1チーム5人の抜き勝負だったが、今回は時間短縮などのため全国に準じて対勝負で実施。女子はこれまで同様、3人の対勝負で競った。
 男子決勝の長崎日大-長崎南山は、長崎日大の先鋒浦が大外刈りで技ありを奪って先勝。次鋒戦は15日の個人無差別級を制した長崎南山の中村龍が一本勝ちしたが、長崎日大は中堅戦を引き分けた後、副将木村が背負い投げで一本を取り返して勝ち越した。最後は大将宮本が引き分けて2-1で競り勝った。
 女子の長崎明誠は準決勝で佐世保工を2-1で下して決勝進出。五島との決勝は先鋒浜崎が抑え込み、次鋒大江田が絞め技、大将山木が袖釣り込み腰でそれぞれ一本を奪って、3-0で快勝した。長崎明誠は個人戦も全階級を制しており、団体、個人の完全優勝を果たした。

◎しぶとさ、堅実さ発揮
 3大会ぶりに団体で春の全国切符をつかんだ男子の長崎日大。選手権恒例の抜き勝負ではなく対勝負となった中、準決勝まで5-0で完勝すると、個人無差別級王者らを擁する長崎南山との決勝は、持ち味の「しぶとさと堅実さ」(松本監督)を発揮して接戦を制した。
 指揮官が「勝つならロースコア。考えたら眠れないので当日の直感で」決めた決勝のオーダー。V3を狙う相手に対して先鋒浦が「チームの流れが決まる」と大外刈りで技あり、副将木村が「自分は絶対取るところ」と背負い投げで一本を奪って白星を挙げた。代表戦に持ち込みたくない状況で勝つべき選手が勝ち、引き分け二つで粘った。
 コロナの感染状況が落ち着いていた昨年末、インターハイ王者の木更津総合(千葉)などと実戦を重ねた。全国レベルを肌で感じて収穫は大きかった一方、今大会前に焦りが募って一人一人が自分のことで頭がいっぱいになり、チームとしての状態は決して良くなかった。それでも本番はそれぞれの役割と戦略を共有して徹底。負けない柔道を披露した。
 全国での目標は16強以上。松本監督は「まだまだ厳しさ、気持ちが足りない」と選手たちの覚悟を促して、エース木村も「もっとチームで一つになっていかないと。一戦一戦しぶとくやりたい」と慢心はなかった。


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