全国柔道選手権県大会 個人無差別級 男子 中村(長崎南山)、女子 山木(長崎明誠)がV

(写真左から)【女子63キロ級決勝】延長戦で技ありを奪う山里(長崎明誠)、 【男子60キロ級決勝】全身がつりながらも果敢に攻め続けた平山(瓊浦、右)=県立武道館

 柔道の第59回県高校選手権兼第44回全国選手権長崎県大会第1日は15日、佐世保市の県立武道館で男女の個人戦が行われ、無差別級の男子は中村龍ノ輔(長崎南山)、女子は山木あかり(長崎明誠)が頂点に立った。女子は山木をはじめ、長崎明誠勢が全階級で1位を占めた。
 男女とも5階級を実施。それぞれトーナメントで競い、各優勝者は全国大会(3月20、21日・東京)出場権を得た。
 男子66キロは秋山悟大、73キロは浦麻月、81キロ級は木村公了の長崎日大勢が優勝。同60キロ級は平山楓海(瓊浦)が制した。
 最終日は16日、同会場で男女の団体戦を実施する。

◎女子は長崎明誠勢が独占

 女子は長崎明誠勢が全階級で1位を独占。うち3階級の決勝は部内対決で、1年生が2年生を破るなど、日ごろの激しい鍛錬の成果をチーム全体で表す形となった。63キロ級で昨年Vの先輩・大江田に延長で競り勝った山里は「練習はきつかったけれど、結果が出てうれしい」と充実感をにじませた。
 小森監督が「複雑な気持ち」で見守る中、決勝は最初の48キロ級で畑山が抑え込んで先輩に一本勝ち。52キロ級の浜崎、57キロ級の齋藤もチームがこだわり続ける寝技を武器に他校の選手を下した。63キロ級に続いて延長にもつれた無差別級はエース山木が、昨秋の九州新人大会70キロ級準優勝の高野との2年生対決を制した。
 「日本一」を掲げて個の力を磨き、ハイレベルな競争がチーム力の底上げにもつながっている。小森監督は「すごい力がついてきたなと思う場面もあった。パワーで圧倒できるような練習を続けたい」と選手たちの一層の奮起を促していた。

◎男子60キロ級・平山(瓊浦) 全身つっても意地の優勝

 男子の瓊浦勢で唯一決勝に進んだ60キロ級の平山が意地の優勝。全身がつるアクシデントに見舞われ、決勝は早々に険しい表情を浮かべたが「最後の選手権なんで死ぬ気でやった」。延長2分25秒までもつれた中、我慢強く仕掛け続けて相手の指導を引き出した。
 桜馬場中時代まで諏訪ノ森教室で腕を磨き、高校入学後は小森監督が「自ら求めて本当に練習する子」と評する努力でさらに成長。昨年のこの大会で瓊浦勢として8年ぶりに全国切符をつかんだ先輩2人に引退後も激しい稽古をつけてもらうなど、チーム最上級生となった今季は昨秋の九州新人大会も3位と健闘した。
 目指すのは「相手よりも先に攻めて、絶対一本を取る柔道」なだけに、この日の決勝は満足していない様子。「支えてくれる家族や先生、先輩たちのためにも全国で賞状を持って帰りたい」と気持ちを新たにしていた。

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