「長崎三部作」の魅力紹介 漫画家、高浜さんが歴文博で個展 明治期舞台、原画など100点

「長崎三部作」の原画や関連する骨董、美術品が並んだ会場で、展示品について説明する高浜さん=長崎市、長崎歴史文化博物館

 熊本県天草市出身・在住の漫画家、高浜寛(かん)さんが明治時代の長崎などを舞台に描いた一連の作品「長崎三部作」の原画や、作品に登場するアンティーク品を並べた個展(NIB長崎国際テレビ主催)が、長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で開かれている。入場無料、2月13日まで。
 2015~19年に雑誌連載した代表作「ニュクスの角灯(ランタン)」(全6巻)は1878(明治11)年、長崎の骨董(こっとう)屋で働き始めた少女・美世の青春と成長を描き、2020年、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。少し前の時代を描いた「蝶のみちゆき」(15年)「扇島歳時記」(20年~)を合わせ「長崎三部作」と呼ばれる。
 同展は各作品の原画や資料をはじめ、作品に登場した高浜さんや同博物館所蔵の骨董、美術品など計約100点を展示。一部の品には作品との関連や背景、エピソードを高浜さんが手書きしたキャプションが添えられ、史実に基づいた三部作の奥行きの深さや、作者の豊かな感性に触れられる内容になっている。

内覧後、報道陣の取材に答える高浜さん

 14日にあった内覧会では、高浜さんが自ら展示品を紹介。現在、三部作とも関わりの深い内容となる次回作を執筆中と明かし、終了後の取材に「長崎歴史文化博物館で(個展を)やれるのがうれしい。三部作の経過を俯瞰(ふかん)の目で見たら面白いと思うし、展示内容を心に留めてもらえたら、次回作をより楽しめるような仕掛けもある」と話していた。


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