2年連続選出ゼロの可能性も 殿堂入り投票結果は日本時間26日発表

2022年度のアメリカ野球殿堂入り投票の結果発表は日本時間1月26日に行われる。今回はバリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、カート・シリング、サミー・ソーサという大物4人が有資格最終年(10年目)となり、デービッド・オルティスやアレックス・ロドリゲスが初登場。前回は得票率75%の当選ラインをクリアした候補者がいなかったため、2年ぶりに当選者が出るか注目される。ライアン・シボドーを中心とした有志による集計に基づいて、メジャーリーグ公式サイトのマニー・ランダワ記者が殿堂入り投票の動向を伝えている。

殿堂入りする可能性があるのは誰?

全体の43.4%(推定)にあたる170人分の投票先が明らかになった時点で最も高い得票率を記録しているのはオルティスだ。しかし、オルティスは非公式な検査とはいえ、2003年にドーピング検査で陽性反応を示した過去があり、ドーピング疑惑を抱える候補者は実際の得票率が事前判明分の得票率よりも低くなる傾向がある。現時点で得票率83.5%を記録しているからといって、最終的に当選ラインの75%を超えられる保証はない。通算541本塁打の実績に加え、ポストシーズンにおける神がかり的な活躍でレッドソックスを3度のワールドシリーズ制覇に導いたオルティスだが、ランダワ記者は「ドーピング疑惑が得票率にどう影響するかが問題だ」と指摘。オルティスが得票率75%に届かないようであれば、2年連続の選出ゼロが濃厚となる。

有資格最終年の候補者4人の状況は?

ボンズ、クレメンス、シリング、ソーサのうち、ソーサは前回の得票率17.0%が最高のため、殿堂入りは絶望的。直近2回とも得票率70.0%以上のシリングは前回落選時に「次回は投票対象から除外してほしい」と発言したことなどが影響しているのか、今回は大幅に得票率を落としている。注目はボンズとクレメンスの2人だが、現時点の得票率は75%を上回っているものの、投票先を公開している170人分での前年比はわずかプラス2票。このペースでいけば、当選ラインの得票率75%には間違いなく届かない。ちなみに、有資格初年度のロドリゲスは薬物規定違反による出場停止処分を受けたことが影響したのか、現時点の得票率は40%程度にとどまっている。

得票率を大きく伸ばしそうな候補者は?

将来の殿堂入りに向けて着実に得票率を伸ばしているのはスコット・ローレン、トッド・ヘルトン、ビリー・ワグナー、アンドリュー・ジョーンズの4人だ。ゴールドグラブ賞8度の名三塁手ローレンは現時点で70%近い得票率を記録しており、早ければ次回にも殿堂入りが期待される。ロッキーズ一筋で活躍した強打者ヘルトン、通算422セーブの剛腕ワグナー、ゴールドグラブ賞10度の名中堅手ジョーンズも有資格期間の10年以内に殿堂入りのチャンスがあるとみられている。

投票用紙から名前が消えそうな候補者は?

殿堂入り投票の対象となる期間は最大10年だが、得票率5%に達しなかった場合、次回以降の候補者から除外されるというルールがある。前回初登場で得票率11.0%のマーク・バーリー、同9.5%のトリー・ハンター、同5.2%のティム・ハドソンは今回に望みをつないだが、今回はいずれも得票率を落としている。また、今回の初登場組ではジョー・ネイサン、ジョナサン・パペルボン、マーク・テシェイラらも得票率5%に届かず、わずか1年で投票用紙から名前を消す可能性が高い。投票用紙に名前を残し続けることすら簡単ではないのだ。

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