上越市上正善寺町内の1、2組による伝統行事「大神送り」が16日、執り行われた。2歳から82歳まで、住民18人が参加。地元で「薬師」と呼ばれる山を登り、山頂のほこらで石仏に一年間の無病息災などを願った。
◇太鼓たたき歌いながら
同行事は数百年前から行われていて、現在は鏡開き後最初の日曜日に実施している。起源は定かではないが、大雪で行事ができなかった年、ほこらからオオカミが出て麓の子どもをさらっていったという言い伝えもあり、毎年欠かさず行われている。昨年は記録的大雪のため、地域の代表2人のみで山を登った。
山頂のほこらまでは往復で1時間ほど。道中は先頭が雪を踏みしめ、なたで枝を切り払った。後続は紅白ののぼり旗を掲げ、太鼓をたたいて歌いながら山頂を目指した。小澤富美雄町内会長(70)は「新型コロナの影響で実施できるか不安だった。終了後の寄り合いを早めに切り上げるなど、対策も取りたい」と話した。