【新型コロナ】児童・生徒の感染急増 神奈川の公立小中、割れる休校判断

 新型コロナウイルスの感染者が急増している神奈川県内の公立小中学校で、陽性者の判明に伴う休校の判断が自治体によって割れている。1人の確認で学校閉鎖とする自治体がある一方、クラスター(感染者集団)が発生しても学級閉鎖にとどめるケースも。文部科学省がガイドラインを示しているものの最終判断を現場に委ねていることが要因で、学校関係者からは「保護者が混乱しないためにも、統一基準が必要ではないか」との声が上がっている。

 「1人でも陽性者が出たら学校閉鎖にしている」と説明するのは、伊勢原市教育委員会の担当者。実際、市立小中学校での感染者は18日時点で8人にとどまるが、計5校を学校閉鎖としており、保健所による濃厚接触者の調査が完了するまで継続するという。

 念を入れた対応について、担当者は「専門知識がないため、万全を期す必要がある」とし、もう一つの理由として「市内には1学年1クラスという学校があり、学級閉鎖イコール学年閉鎖となる。地域で感染した人数や生徒が特定されてしまう恐れもある」と話す。

 ただその一方で「感染者が出るたびに閉鎖と再開を繰り返すことになってしまう。この運用が限界にきている認識はある」とも明かし、今後、判断基準の見直しを議論していくという。

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