東大前刺傷事件 カンニング竹山がけん制「犯行の背景を断定できる段階ではない」

新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」が、「ABEMA NEWSチャンネル」にて、ニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時から生放送している。

**■“AD”の呼称変更に、カンニング竹山が制作現場の舞台裏を語る **

「最近の現場では17時にADが帰る。なり手不足が深刻なため、新たな動きが起きている」

2022年1月17日(月)の放送では、東京スポーツが「テレビ局がアシスタントディレクター、通称“AD”の呼称を廃止する動きがある」と報じたことを紹介した。

お笑い芸人のカンニング竹山はこの報道について「世間が誤解しているところがある」と切り出し、現在のAD事情について、「『ADはキツい』というイメージを払拭するために、バラエティの現場だと17時にADが帰る。今は時代が変わったから、働き方が変わった」と明かした。さらに、竹山は働き方が変わった理由について「昔はADみんながディレクターを目指してキツいADの仕事をしていたが、その姿を見た今の人たちはキツいADを避けて、学生時代から動画編集の経験を積み、自分で動画制作の会社をつくるようになった。そうして、今はAD不足になった。人員が不足しているから、今はADの派遣会社があるくらい。派遣会社から来たADは『ディレクターになりたい』と思わない人も多い。そのため、ADのイメージを払拭しないと、人員が確保できないので、ADという言い方をやめてみたり、17時で家に帰したりという動きがある」と解説した。一方で、呼称変更については「名前を変えることは良いと思うが、1番大事なことは仕事の中身を変えることではないか。昔と仕事内容が一緒では誰もやらない。仕事を分担して、ここはADがやるけど、ここは新しい職種の人がやる、とかそういう風に変えていかないといけない」と自身の考えを語った。

『三省堂国語辞典』編集委員の飯間浩明氏は「客室乗務員のことを“スチュワーデス”から“CA”と呼称を変えるのに、何十年もかかった。職業の呼び方を人の性別で呼んではいけないという波に乗ったことがきっかけで、やっと呼び方が変わっていった。ADも環境を変えた上で、アピールしてみては?ラベルを変えると見え方が変わりますから」とコメントした。

女優でタレントのサヘル・ローズは「『水戸黄門』に登場した『助さん・格さん』にしてみたら良いんじゃないかな。二人が仕えてこその水戸黄門だったから、そのようにリスペクトも生まれるんじゃないかな」と斬新な提案をし、スタジオを盛り上げた。

**■東大前刺傷事件に対し、カンニング竹山がけん制「犯行の背景を断定できる段階ではない」 **

 “成功ルート”から外れたと錯覚?テレ朝・田中萌アナ「洗脳じゃないが…先輩と同じルートから外れた時に『人生終わった』と絶望」

また、番組では、東京大学前で起きた刺傷事件について、容疑者の少年が「医者になるために東大を目指していたが、成績が上がらず、自信をなくしていた」と供述していることを報じ、なぜ17歳にして人生に絶望したのかを考えた。

竹山はこの事件に対し、「動機が報道されているが、まだ犯行の背景を断定できる段階ではないと思う。でも、最近は拡大自殺のような考え方を持っている子たちの事件が増えているように思う。何かしらの歯車が狂っている可能性があるのではないか」と自身の考えを語った。

筑波大学教授で犯罪社会学が専門の土井隆義氏は「学校という世界の中で、『東大を目指す』という周りの生徒の“スタンダード”から外れると、人間としての“スタンダード”から外れてしまった錯覚に生じやすい」とコメント。テレビ朝日の田中萌アナウンサーは「私も地方の進学校にいて、東大や東北大、国公立大医学部に進学しないとその高校の生徒ではないような感覚の中にいた。私は1浪し、私立の大学に行ったが、その時の『人生終わったな』という絶望感が凄まじかった。洗脳じゃないが、『先輩が行ったルートしか成功ではない』と思っていて、そこから外れそうになったときの恐怖は非常にすごいものだったとこの事件をきっかけに思い出した」と自身の経験を打ち明けた。さらに、「大人は『東大よりランクを落とせばいいじゃん』と思うかもしれないが、生徒は追い詰められていることもある。私も高校時代は、話す大人は先生くらいなので、いろんな選択肢があって、いろんな職業があって、いろんな生き方があるということを知らなかった」と声を震わせた。

竹山は「人生は誰でも挫折を経験するが、その時に人を殺したりしない。今回の事件で一番ポイントなのは、容疑者が挫折を経験した時に、人を傷つけて命を絶とうとしたこと。受験システムや学力社会の問題があるが、そこを論じるより、なぜこの考えに至ったのかを追求していかないといけない」と問題提起をし、締めくくった。

放送の様子は、現在も「ABEMA」にて見逃し配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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