景気3カ月連続据え置き 12~1月 観光・サービス下振れも 日銀長崎支店

 日銀長崎支店は20日、昨年12月~1月の県内金融経済概況を発表した。景気全体について「緩やかに持ち直している」と3カ月連続で判断を据え置いた上で、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすい観光やサービス消費を中心に下振れリスクが大きくなっている」と懸念を示した。
 観光は、持ち直しの動きに一服感がみられ、4カ月ぶりに判断を引き下げた。新型コロナの新変異株「オミクロン株」の感染拡大で、宿泊予約のキャンセルの動きが出ている。
 個人消費は、全体として持ち直しの動きが続いている。財消費は堅調に推移。一方、飲食などのサービス消費は昨年末にかけて持ち直しが明確になったが、年明け以降、飲食店の客数が減少。住宅投資は持ち直し。公共投資は高水準で推移。設備投資は大型案件が寄与して増加した。
 生産は緩やかな増加基調。電子部品・デバイスは増加基調にある一方、機械・重電は減少が続く。雇用・所得は、労働需給に改善の動きがあるが、雇用者所得は弱い動きが続いている。
 鴛海健起(おしうみたけゆき)支店長は今後の見通しについて「変異株を含めた感染症の動向、供給制約の広がり、資源価格の上昇の影響を注視していきたい」と指摘。県内非製造業の仕入価格と販売価格判断DIなどの動きに触れ、「原材料価格などの上昇で、企業が販売価格への転嫁を少しずつ進めている状況がみられる」との見方を示した。


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