〈新型コロナウイルス〉21日から、まん延防止措置 飲食、周辺業種に影響大 2月13日まで

 上越地域を含む全県で21日から2月13日まで、新型コロナウイルス感染拡大による「まん延防止等重点措置」が実施される。期間中、飲食店の営業は原則午前5時から午後8時までとなり、酒類の提供も原則禁止される。飲食業の他、酒類や食材の卸売業、タクシーなどへの痛手は必至だ。

 本県での飲食店への時短要請は昨年9月、県独自の特別警報に基づき行われて以来。居酒屋をはじめ、「酒類を提供する飲食店」に行った。

 今回が前回と大きく異なるのは、全ての飲食店が時短の対象となる点、酒類の提供が原則禁止される点だ。酒類提供は、県の「にいがた安心なお店応援プロジェクト」の認証を受けている店舗のみ、選択的に行うことができる。重点措置の期間中、要請に応じた店舗には売り上げの減少額などに応じて、1日当たり2万5000円~10万円の協力金が支給される。

酒類提供禁止で痛手

 上越市直江津地区にある割烹(かっぽう)料理店は、県の認証取得を見送り、重点措置期間に突入することになった。店主は「仕入れだってある。(期間中)休店するか、お酒なしで営業するか、早く決めなければ」と頭を悩ませていた。

 同地区の焼き肉店は認証を取得済み。午後8時まで酒類提供し、同9時で閉店する予定。前回の時短営業を踏まえ、食事のオーダーを営業時間ぎりぎりまで受けるという。同店では前回の時短要請以降開発した弁当の販売が堅調。店主は「今後も、コロナ禍に対応した販売形態を考えていく」としている。

 高田地区にある酒類を提供するカフェも、酒類を午後8時まで提供し同9時閉店。金、土曜は閉店時間が2時間繰り上がる。「仕事終わりでふらりと寄ってお酒を飲んでくれる人たちがいなくなってしまう」と話した。

 富寿しグループ(本社・上越市南本町3)は期間中、県内ほぼ全ての店の営業時間を午後9時まで、酒類の提供を同8時までとした。通常営業より閉店を1時間繰り上げた形だ。宮崎富夫副社長は「お酒には一定のニーズがある。今回提供をやめるという選択肢はなかった」と話した。

上越市役所の職員が市内の飲食店を訪れ要請書を手渡した(20日午後6時すぎ、上越市西本町4の鳥まん)

協力金対象外で打撃 卸売業者・タクシー

 飲食店で酒類の提供が原則禁止となることで、協力金の対象にならない酒類の卸売業者やタクシーなどの事業者への打撃も必至だ。上越市の飲料卸売会社の経営者は「コロナ禍の出口が見えないことが最もつらい。この状況が続き、地域の飲食店に廃業が相次ぐことを不安視している」と話した。

 上越市ハイヤー協会の牧野章一会長(アイエムタクシー社長)は「年末の感染者減で、新年会需要を一定程度想定していただけに残念。期間中は各社とも夜の配備台数を大幅に削減して臨む。タクシー業界はコロナ禍と燃料高の二重苦。県、市には減収幅に合わせた補てんなど、産業施策としての支援を求めたい」と話した。

経済団体も対応に苦慮

 重点措置を受け、多数が集まる会合などにも影響が出そうだ。上越商工会議所は「27日に予定していた200人規模の交流会を中止し、講演会のみとした。期間中に多数が集まる会合の予定はしていない」、新井商工会議所は「感染対策はもちろんだが、社会経済活動も途切れさせたくない。市の対応を見ながら慎重に判断していきたい」としている。

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