「真鶴の政治腐っている」 名簿不正の真鶴町長に町民の怒り噴出 町議会が町民向け説明会

松本町長の再選について「全国から後ろ指を差されている」と批判した町議会の田中議長=真鶴町民センター

 真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿抄本を不正に複写し自らの選挙に利用した問題で、町議会は23日、町民向けの説明会を同町民センター(同町岩)で開いた。松本氏が昨年12月の出直し町長選で再選後も町政の混乱が続く中、町民からは「真鶴の政治が腐っている」、「頼れるのは町議会しかない」と議会による町長の不信任決議など、真相解明や松本氏への“徹底抗戦”を求める声が相次いだ。

 参加者を限定しない形の町民への報告会は初めてで、この日、2回の開催で計50人が参加した。松本町長から名簿コピーを受け取っていた元町長の青木健氏ら町議10人全員が出席し、昨年10月の問題発覚からの経緯を説明した。

 問題を巡っては町議会は昨年12月から地方自治法98条に基づく事務検査に着手し、今後は町監査委員への監査請求も検討。松本氏が公約に掲げた町長給与の減額については昨年12月の臨時会で否決するなど、対決姿勢を強めている。

 報告会では町議会の対応について「町長を許さないという姿勢を示すべきだ」と地方自治法100条に基づく100条委員会による真相解明や町長の不信任決議を求める声も上がった。不信任決議が可決した場合、町長が議会を解散することもできることから天野雅樹副議長は「選択肢として考えている。一方で短期間に選挙が連続することに有権者の理解が得られるか」と慎重な姿勢を示した。

© 株式会社神奈川新聞社