殿堂入り投票用紙はどのように回収され、どのように集計されるのか

2022年度のアメリカ野球殿堂入り投票の結果は日本時間1月26日午前8時から「MLBネットワーク」の番組内で発表される。投票を行うのはアメリカ野球記者協会(BBWAA)の会員のうち、10年以上活動を継続している現役記者のみ。彼らに投票用紙が送付され、必要事項を記入したうえで返送することは知られているが、この投票用紙はどのように回収され、どのように集計されるのだろうか。メジャーリーグ公式サイトのポール・カセラ記者がこのプロセスについて詳細に伝えている。

実は、記者たちが必要事項を記入した投票用紙はクーパーズタウンの殿堂に直接送られるわけではない。投票用紙の送付先はニューヨークにあるアーンスト・アンド・ヤング社。この会社は投票プロセスの認証と検証を担当する。今回の投票用紙は1カ月以上も前から同社に届けられているが、まだ全て未開封。結果発表に先立って投票結果の集計が開始されるまで、同社に届いた投票用紙はそのままの状態で保管されることになっている。

アーンスト・アンド・ヤング社はどの投票用紙が到着しているかを知らせるために殿堂のスタッフと連絡を取り合っているものの、投票用紙の内容が事前に明かされることは一切ないという。よって、現時点では殿堂のスタッフやBBWAAのメンバーでさえ、多くの野球ファンと同様に、ライアン・シボドーら有志による「Baseball Hall of Fame Tracker」の集計結果から最新情報を得ているというわけだ。

結果発表の日には、殿堂、BBWAA、アーンスト・アンド・ヤング社の代表者が集まり、開票と集計をスタートする。アメリカ野球殿堂のジョン・シェスタコフスキー氏によると、全ての票を正しく数え、ミスがないようにダブルチェックを行うため、この集計プロセスには「何時間もかかることがある」という。こうして最終結果が確定し、結果発表が行われるわけだが、結果発表前に結果を知るのはわずか5人程度。それ以外の人々は「MLBネットワーク」の結果発表で一斉に投票結果を知ることになる。

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