1イニングの最多得点記録は17点 メジャーリーグ公式サイトが特集

メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモン記者は1イニングの最多得点記録を紹介する特集記事を公開した。1883年9月6日にシカゴ・ホワイトストッキングス(現カブス)がデトロイト・ウルバリンズ戦で1イニング18得点を記録しているが、今回の特集記事は1900年以降の近代野球が対象。1953年6月18日にレッドソックスはタイガースに23対3で圧勝したが、この試合でレッドソックスが記録した1イニング17得点が1900年以降のメジャー記録となっている。

この年のレッドソックスはア・リーグ8球団中6位の656得点と打線に元気がなく、しかも朝鮮戦争に従軍した主砲テッド・ウィリアムスを欠いていた。しかし、一方のタイガースもア・リーグ最下位の防御率5.25と投手陣が崩壊。5試合以上登板して防御率4.00未満の投手が皆無という惨状であり、1イニング17得点のメジャー記録を作られる前日にも、レッドソックスに1対17で大敗を喫していた。

メジャー記録が生まれた日は、レッドソックスが5対3とリードして迎えた7回裏に打線が爆発。本塁打はディック・ガーナートが放った12号3ランの1本のみだったが、タイガースの3投手に打者23人、14安打(単打11、二塁打2、本塁打1)、6四球(うち敬遠1)の猛攻を浴びせ、大量17点を奪った。20歳の新人ジーン・スティーブンスは1イニング3安打を記録。タイガース守備陣のエラーは1つもなかった。

この記録に迫ったのが、1996年4月19日のレンジャーズ(対オリオールズ)だ。10対7とリードしていたレンジャーズは8回裏に猛攻を開始。アーマンド・ベニテスから無死満塁のチャンスを作ると、ジェシー・オロスコからディーン・パーマーの4号2ランなどで7点を奪った。ここで敗戦処理として内野手のマニー・アレクサンダーが登板したが、アレクサンダーは四球を連発して失点を重ね、ケビン・エルスターがとどめの2号グランドスラムを放ち、一挙16得点のビッグイニングが完成(試合はそのまま26対7で終了)。なお、2007年8月22日の同カードではレンジャーズが近代野球における1試合最多記録を更新し、30対3で大勝した。

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