SCBが2022年暫定カレンダーを発表。国際ゲスト招聘の”ダブル”復活に、史上初の空港戦も設定

 南米大陸を代表する人気ツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの2022年暫定カレンダーが発表され、例年より早く2月12~13日にインテルラゴスで44年目のチャンピオンシップが開幕。そのサンパウロF1トラックでは、国際的に活躍するスタードライバーを招聘した“Race of Doubles(レース・オブ・ダブルス)”のフォーマットが復活するほか、第3戦ではシリーズ史上初となる空港イベントをアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港(旧ガレオン国際空港)で開催するとアナウンスした。

 シリーズ3連覇王者ダニエル・セラ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)との直接対決を制し、ガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)が自身初のドライバーズチャンピオンを獲得した2021年を経て、今季のSCBは新たな時代に突入。

 最高峰カテゴリーの“Pro Series(プロ・シリーズ)”に向けたステップアップ・カテゴリーとして機能する“STOCK CAR LIGHT(ストックカー・ライツ)”は、新車両規定の導入に合わせて“STOCK SERIES(ストック・シリーズ)”に改称されることとなった。

 その開幕戦に位置付けられるインテルラゴスでの1戦は、シリーズのレギュラードライバーがそれぞれ国際カテゴリーのスターを招待してマシンをシェアし、セミ耐久フォーマットで争うDoubles(ダブル)戦が復活。いまだ世界的蔓延が続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が懸念されるものの、F1経験者を筆頭にスポーツカー耐久やDTMドイツ・ツーリングカー選手権など、世界各国で活躍するドライバーの参戦が期待される。

「開幕の第1ステージは、公式ドライバーがゲストとパートナーシップを結ぶイベントである“ダブルス”形式で開催する。その候補には、いつもどおりその履歴書にF1を含む国際的なスターの名前が期待されている」と語るのは、シリーズCEOを務めるVicar(バイカー)のフェルナンド・ジュリアネッリ。

 しかしカレンダー発表直後の衛生環境急変に対応し、このダブルスは無観客での開催が決定した。

2022年より新規定のワンメイク車両を導入し、新たに“STOCK SERIES(ストック・シリーズ)”に改称されるステッアップ・シリーズ
2014年にシリーズチャンピオンを獲得したルーベンス・バリチェロ。有力タイトル候補として、自身2度目の王座を狙う
“Race of Doubles(レース・オブ・ダブルス)”参戦を契機に、2021年フル参戦を実現したフェリペ・マッサ(LUBRAX Podium/シボレー・クルーズ)

■国際空港でのイベントは滑走路を活用した特設レイアウトを予定

「我々の関心事はつねにイベント内外のすべての人の安全であるため、予測に従い先んじてこの決定を下した。パンデミックが始まって以来、ストックカーは医療セキュリティ・プロトコルの採用という点で模範的な存在であり続けてきたからね」と説明するジュリアネッリ。

「開幕戦のその日に、インテルラゴスのスタンドにファンがいられないのは残念だが、それでも素晴らしいショーになることを約束する。同時に、ストックカーコミュニティ全体の利益と一般のすべての市民に対し、我々は今後も全責任を持って行動することを誓う」

 そして第2戦ゴイアニアでは同地シリーズ史上「70回目のスタート」を迎えると、4月上旬にはカレンダー上のもうひとつのハイライト、国際空港での“ガレオンGP”を実施する。

 リオデジャネイロ、グアナバラ湾に浮かぶ最大の島、ゴヴェルナドール島に位置するアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港の設備を活用した初のイベントは、滑走路を活用した特設レイアウトでの勝負が予定されている。

「ご想像のとおり、商業空港は非常に特殊なロジスティクスの複雑さを持っている。加えて、すべての施設とトラックがすでに存在する常設サーキットとは異なり、レースを実行するための設備を整える労力を考えれば、そのチャレンジの規模が理解できるだろう」と続けたジュリアネッリCEO。

「だからこそ、州政府やアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港、スポーツ・レジャー庁長官に国家民間航空局(ANAC)の役割と協力に、強い感謝の意を表明したい。このイベントが成功すれば、リオデジャネイロでのモータースポーツにとって大きな遺産になるはずで、決定的なリターンを残したいと考えている」

 その後、第4戦ヴェロチッタを経て7月2〜3日のダブルヘッダーでは、ブラジリアのネルソン・ピケ・インターナショナル・アウトードロモがシリーズに復帰。同トラックで40回目のスタートが切られると、2度目のインテルラゴスからリオグランデドスル州サンタクルス・ド・ソル、さらにリピート戦のヴェロチッタとゴイアニアを経て、再びブラジリアで“BRBスーパー・ファイナル”を迎える。

2021年は最終戦も務めたインテルラゴスは、2022年開幕戦“レース・オブ・ダブルス”会場に
アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港(旧ガレオン国際空港)では、シリーズ史上初となる“エアポート・レース”開催が決定
マッサ同様、2021年より電撃フル参戦を開始したトニー・カナーン(Full Time Bassani/トヨタ・カローラ)。2年目の飛躍を誓う

■SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”2022年暫定カレンダー

ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 2月12~13日 インテルラゴス “レース・オブ・ダブルス”
Rd.2 3月19~20日 ゴイアニア
Rd.3 4月9~10日 リオデジャネイロ “ガレオンGP”
Rd.4 5月14~15日 ヴェロチッタ
Rd.5~6 7月1~3日 ブラジリア
Rd.7 7月30~31日 インテルラゴス
Rd.8 9月3~4日 サンタクルス・ド・ソル
Rd.9 9月24~25日 ヴェロチッタ
Rd.10~11 10月21~23日 ゴイアニア
Rd.12 11月19~20日 ブラジリア “BRBスーパー・ファイナル”

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