松浦市長に再選 友田吉泰さん(57)に聞く 伸びしろ磨き発信

友田吉泰さん

 〈23日告示の松浦市長選で、2期連続無投票で再選を果たした。1期目の施策では、アジの水揚げ高日本一を生かした「アジフライの聖地」宣言で松浦の知名度を一躍、“全国区”にした。一方で、人口減少に歯止めがかからず、コロナ禍で低迷している地元経済の立て直しなど課題は山積している。2期目の市政運営について聞いた〉

 -2期連続無投票になったが。
 民主主義の根幹は為政者を選挙で選ぶこと。無投票で有権者が権利を行使できなかった。政策の推進のバロメーターである得票がないこともあり、民意をしっかりつかむためにも市民の声を注意深く聞きたい。1期目は市議、県議の経験を踏まえ、有権者が「やらせてみたら」ということでの無投票だった。今回は1期4年間の評価だと思っている。

 -1期目を振り返って、できたこと、できなかったことは。
 前市長時代からの継続事業ではなく、私が市長になってから取り組んだ施策が形になり、市民に「変わったな」と実感してもらっていると思う。特に「アジフライの聖地」はメディアに取り上げられ、松浦の知名度アップにつながった。元寇(げんこう)遺跡の活用についても、2020年11月、元寇にゆかりのある対馬市、壱岐市と「元寇サミット」を開催し、連携して取り組んでいくことを確認した。中学生の市内事業所体験も始めた。将来、子どもたちが地元に残りたいと思うきっかけにしていきたい。ただ、後半の2年間はコロナ禍でこれらの施策を十分に実施、展開できなかった。

 -2期目の抱負は。
 松浦には伸びしろがもっとある。物産や観光だけでなく、新たな伸びしろを見つけ、それを見つけて磨き、独自の物語を添えて発信していきたい。20年に市総合計画を市民と共に策定した。シビックプライド(都市に対する市民の誇り)が持てるまちづくりを市民との対話を通じ進めていく。チャンスは果敢につかみ取りにいく。西九州させぼ広域都市圏の各自治体と連携し人口減少対策や定住対策に取り組むほか、県と佐世保市がハウステンボスに誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)では、松浦にどのようなメリットがあるか十分研究したい。

 【略歴】ともだ・よしやす 佐賀県小城市出身。健康法は股関節などのストレッチ。「最近は風呂上がりに4種類のストレッチをするのが日課」という。ストレス解消法は庭の草取り。座右の銘は「志ある者は事ついになる」。


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