東名あおり死亡事故差し戻し審、横浜地裁で初公判 被告が再び無罪主張「危険運転はしていない」

差し戻し審初公判が始まった横浜地裁=27日午前10時すぎ、横浜市中区

 神奈川県大井町の東名高速道路で2017年、「あおり運転」を受けて停止させられたワゴン車に後続車が追突し、静岡市の一家4人が死傷したとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(30)の差し戻し裁判員裁判が27日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で始まった。

 被告は「事故になるような危険な運転はしていません」と起訴内容を否認。弁護側は「(被告は)危険運転行為はしていません」などと述べ、同罪の成立を争うとした。

 弁護側は、死亡した男性=当時(45)=と妻=当時(39)=、同乗していた娘2人の死傷の結果について「彼の運転行為が原因ではなく、後続の大型トラックが無謀な運転をして衝突事故を起こしたことが原因だ」と主張。男性への暴行や、一家の移動を著しく困難にしたとする監禁致死傷罪(予備的訴因)の成否などについても争う方針を示した。

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