AJは2027年、A-Rodは2031年に殿堂入り? 公式サイトが予想

日本時間1月27日、メジャーリーグ公式サイトのマイク・ペトリエロ記者は今回の殿堂入り投票で5%以上の得票率を記録して次回以降に望みをつないだ候補者について「いつ殿堂入りするか」を予想する特集記事を公開した。次回以降に望みをつないだ14人のうち、殿堂入りすると予想されたのは5人だけ。スコット・ローレンは2023年、ビリー・ワグナーは2025年、トッド・ヘルトンは2026年、アンドリュー・ジョーンズは2027年、そしてアレックス・ロドリゲスは2031年の殿堂入りが予想されている。

2013~14年に東北楽天ゴールデンイーグルスでもプレーしたジョーンズについて、ペトリエロ記者は「PED(=パフォーマンス向上薬)の目立った影響を受けていない選手だが、複雑なケースである」と指摘。通算434本塁打を記録し、10度のゴールドグラブ賞を受賞するなど「史上最高の守備力を持つ中堅手」の1人と言われるジョーンズだが、打率や出塁率が低いため通算OPSは.823に過ぎず、30代を迎えてから急激に衰えたため通算2000安打にも到達しなかった(1933安打)。また、2012年にはDV容疑で逮捕されたこともある。

しかし、ペトリエロ記者はジョーンズが2018年に7.3%からスタートして、2019年は7.5%どまりだったものの、2020年は19.4%、2021年は33.9%、そして今回は41.4%と着実に得票率を伸ばしていることに注目。「投票者は最大10人までしか投票できないが、ジョーンズは11番目か12番目に優れた候補者だった可能性がある。バリー・ボンズやロジャー・クレメンスの名前が投票用紙から消えることは大きな助けになるだろう」と分析し、有資格最終年となる2027年に殿堂入りを果たすと予想した。

一方、通算696本塁打、MVP3度、オールスター・ゲーム選出14度といった圧倒的な実績を誇るロドリゲスも有資格最終年の2031年に殿堂入りするとの予想となった。初登場の今回は得票率34.3%に終わり、ボンズやクレメンスといった「PED関係者」が記者投票での殿堂入りを果たせなかったことを考えると、「2031年に記者投票で殿堂入りする」という予想は意外と言えるかもしれない。ロドリゲスはPEDの陽性反応による出場停止処分で2014年シーズンを全休しているからだ。

ペトリエロ記者はロドリゲスがボンズやクレメンスより9年遅れて投票用紙に登場したことが「大きな意味を持つ」と指摘。殿堂入り投票は投票者の顔ぶれが毎年少しずつ入れ替わっており、新しい世代の投票者は古い世代の投票者より「PED関係者」に寛容な傾向がある。「ジ・アスレチック」のジェイソン・スターク記者によると、過去5年以内に投票権を得た記者に限れば、ボンズとクレメンスは得票率86%に達していたという。つまり、時間の経過とともに新しい世代の投票者が増えれば、その分だけロドリゲスの得票率も上昇する可能性が高いというわけだ。これらを踏まえ、ペトリエロ記者は「有資格最終年の10年目までかからないかもしれない」としている。

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