クルマの使用年数が長期化の傾向にあり、車種整理も行われている新車市場。クルマの選択肢が狭まることで「人と同じクルマではいやだ」「個性を出したい」と思う人も多いのではないだろうか。そこでおすすめしたいのが、コンプリートカーという選択だ。コンプリートカーとは、市販車をベースにチューニングを施し、インテリアなどの車内空間や、外装や外観の装備を変更したクルマのこと。先日開催された東京オートサロン2022では、各メーカーやショップなどがそれぞれの特徴を出したコンプリートカーやカスタムカーを展示していたが、今回はコンプリートカーを選ぶメリットとデメリットを紹介していきたい。
割安でパーツを取り付けたクルマを手に入れられること
まず、大きなメリットとして挙げられるのが、割安でパーツを取り付けられることだ。通常、クルマをカスタムするときには、クルマを購入してから、自分で一つずつパーツを購入しなければならない。そのため、カスタムにかかる費用がかなり高額になることがあるのだ。
しかし、コンプリートカーであればすでにある程度カスタムされているため、費用を安く抑えられる。また、初心者やパーツなどにあまり詳しくない人でも、コンプリートカーを選ぶだけで安心して「人とは違う個性的なクルマ」を手に入られることが魅力と言える。
車検の基準に準拠したカスタムであることは大きなメリットと言える
次に、車検に準拠したカスタムであること。
自分でカスタムする場合には、車幅やライト、マフラーなど車検に適合しない恐れがある。車検に通らなければ公道を走れなくなってしまうので、これでは本末転倒だ。
一方コンプリートカーであれば、専門のショップやディーラーがチューニングしてくれるため車検に通らない仕様になっていることはほぼないだろう。気になる場合には直接ショップなどで確認してみて欲しい。
装備のブランドを統一化できることも魅力
そして、装備のブランドを統一化できることだ。クルマを購入する前に取り付けているパーツが把握できるため不必要なパーツをそろえる必要がなく、その後の予算に合わせてアフターパーツを選ぶことができる。
そして自分で購入するパーツを最小限に抑えられるのもメリットだ。自分の予算に合わせてパーツ選びができるというのもコンプリートカーの特徴だろう。
一方、コンプリートカーにはデメリットも存在する。まずは事故などの起こした時に修理が困難であることだ。
コンプリートカーは、それぞれ個体差があるといえ事故を起こした場合、修理が困難であることや装備が手に入らないといった事態に陥る可能性がある。
また、すでにチューニングが施されているため、別の仕様に変えたいと思った際に新たなチューニングがしにくいということも挙げられる。
乗り心地の向上や運転の楽しさにつながるカスタムが施されたモデルばかりだ!
こうしたメリット、デメリットを踏まえ、それでも「人とは違う」一風変わったクルマに乗りたいと思う人にはコンプリートカーをぜひおすすめしたい。実際に見て、乗ってみれば、メーカーやショップの考え方や乗り心地の良さ、見た目のカッコ良さなど、魅力に感じる点は多いだろう。
「奇抜」や「派手」な印象もあるかもしれないが、トヨタならGR、ホンダならモデューロX、スバルならSTI、日産ならオーテックやNISMOなど、メーカー系列のコンプリートカーなら機能性も抜群のモデルが揃っている。ぜひ検討してみてはいかがだろうか。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)/撮影:茂呂 幸正/和田清志/トヨタ】