無人ヘリで海難救助訓練 新上五島町で実証実験

無人ヘリ搭載カメラの映像を見つめる人や窓から目視する人ら=新上五島町

 長崎県新上五島町や日本航空(JAL)、ヤマハ発動機などで構成する町ソリューション協議会は20日、同町有川郷の有川町漁協岸壁一帯で無人ヘリコプターを使った密漁監視、海難救助の実証実験を実施した。
 国土交通省が、離島地域の課題解決のため情報通信技術(ICT)などを活用した「スマートアイランド」の実現を推進しており、その実証調査の一環として取り組んだ。
 漁業関係者ら約20人が参加。あらかじめ設定した海域でカメラ搭載の無人ヘリコプターを飛行させ、同漁協事務所内に設置したモニターで密漁を監視した。同事務所から約450メートル離れた岸壁に要救助者がいると想定し、高度16メートルからヘリで救命具を投下する動作も確認した。
 参加した有川地区漁業集落事業の代表、原康弘さん(49)は「漁業区域の境界を見極めるのには役立ちそう。密漁の取り締まりはまだイメージしづらいが、実用化できればいいと思う」と話した。町は「利便性向上のために、いろいろな可能性を探りながら検証していきたい」としている。


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