「ホシフグ」の死骸が大量漂着 新上五島・有川湾 原因不明、漁業者ら回収

岸壁に漂着したホシフグの死骸を網ですくう人ら=新上五島町七目漁港

 長崎県新上五島町有川湾に南方系のホシフグの死骸が大量に打ち寄せられている。最初に確認されたのは4日。町内の海水浴場や漁港、湾内の定置網でも確認され、漁業者は回収・廃棄作業に追われている。
 ホシフグは主に外洋に生息。卵巣などに毒があり、食用には適さないという。同町ではこれまでにも、まれに網に入ることはあったが「今回のような大量漂着は初めて」としている。
 沿岸に多くの死骸が漂着し、異臭を放っている。県や町職員、ボランティアらが網ですくったり、拾い集めたりして対処。1日10トン前後の日もある。徐々に収まってきたが、総量は累計100トンほどに上るのではないかとみられる。定置網に入り込んだものは漁業者が処分場に運搬。網がホシフグでいっぱいになって他の魚が入らず、漁獲にも影響が出ているという。
 県総合水産試験場(長崎市)は「食用の魚種ではないため詳細なデータがなく、大量漂着の原因は不明」とする。

漂着したホシフグ(新上五島町提供)

 昨年末には、平戸、五島周辺海域でも定置網に大量に掛かり、佐賀県などでも大量に漂着したとの情報もある。県水産部は「回収作業に協力し、情報収集に努める」とし、各自治体に対応を求めている。


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