日本でも人気のル・クルーゼの鍋(以下、ル・クルーゼ鍋)。カラーバリエーションが豊富で、SNS映えする素敵な鍋です。今回はお料理大好きな筆者が、使ってみた感想や注意点などとあわせてル・クルーゼ鍋の魅力をご紹介します。これから購入したいと思っている方の参考になればうれしいです。
ル・クルーゼのお鍋ってどんなもの?
ル・クルーゼはフランスの食器・調理器具のブランド名。1925年フランス北部のフレノワ・ル・グラン村に誕生しました。
その地で盛んな鋳物(いもの)技術が受け継がれ、数々の製品が生まれました。
今では世界中に愛され、各国の文化に合わせた製品も作られています。もちろん日本の食文化にぴったりの製品も数多く生まれています。
▼すき焼きや鍋物などに向いている「ココット・ジャポネーズ」
▼ご飯がおいしく炊けると評判の「ココット・エブリィ」
ル・クルーゼ鍋の特長は?
創業後90年以上にわたり伝統の製法を守りながら、時代とともに進化しているル・クルーゼ鍋。
どんな特長があるのか、まとめてみました。
【特長1】見た目より重たい
筆者は「ココット ロンド 20cm」を使っています。かわいい見た目ですが、手に持つとずっしり重いのが一番の特長です。
スペックは以下の通りです。
<ココット ロンド 20cm>
- 直径(取手込) 20(28.5)cm
- 高さ(フタ込) 9.5(14)cm
- 容量 2.4L
- 重量 3.1kg
【特長2】鍋の材質は「鋳物ホーロー」
ル・クルーゼ鍋の材質は鋳物ホーローと呼ばれるもので、その特長が生かされています。
- ゆっくりムラなく熱が入る
- 料理が冷めにくい
- 食材が煮崩れせず、甘みや旨みが引き出される
- 煮る、炊く、蒸す、焼く、炒めるといった調理法が得意
- 直火、IHクッキングヒーター、ハロゲンヒーター、オーブンで利用できる
【特長3】おいしさの秘密は「フタ」へのこだわり
ル・クルーゼ鍋のフタにもご注目。旨みを引き出すための工夫があります。
- ドーム型なので熱と蒸気が食材を包み込むように対流する
- ゆっくり均一に蒸気が抜けるよう3カ所のスチームポイントがある
- ツマミの耐熱温度は250度なのでオーブンでも使える
【特長4】進化を続ける「エナメルコーティング」技術
ル・クルーゼ鍋のツヤのある表面の材質はホーローです。
実は、ホーローは日本語で「琺瑯」と書き、英語では「エナメル」、フランス語では「エマイユ」と呼ばれます。
いったいどんな特長があるのでしょうか?
- ル・クルーゼに受け継がれる特殊な技術で色が鮮やか
- 原料は自然由来のものである
- 臭い・汚れがつきにくい
- 耐衝撃性が以前に比べてアップした
【特長5】鍋の内側のホーローは2種類
ル・クルーゼ鍋の内側をみると白っぽい色で表面がつるっとした「サンドホーロー」と、黒くて少しザラっとした質感の「ブラックマットホーロー」があります。
選ぶときはよく作る料理にあわせて選びましょう。
- サンドホーロー
調理の時にだし汁やブイヨン、澄んだスープなどの薄い色が見やすいため、火加減や味つけがしやすいのが特長です。 - ブラックマットホーロー
油なじみがよいため、食材がこびりつきにくく焼きつける料理が得意です。
【実際に使ってみて気になった点】焦げ付きには専用クリーナーがおすすめ!
ホーローは長年使っていると鍋に小さな傷がつき、焦げ跡や黒ずんだ色がついてきます。
筆者は気にせず使っていますが、ここが好き嫌いのわかれるところかもしれません。
汚れが気になる方はル・クルーゼの鋳物ホーロー鍋専用のクリーナー「ポッツ&パンズ」がおすすめです。
実際に使った様子をご紹介します。
湿らせて硬く絞った布やキッチンペーパーに専用クリーナー「ポッツ&パンズ クリーナー」を10円玉くらいの大きさに取って、気になるところをこすります。
内側5分、外側5分の計10分くらいで汚れはかなり落ちました。
ル・クルーゼ鍋はキャンプ(アウトドア)で使えるの?使用上の注意
ル・クルーゼ鍋の特長を5つご紹介しましたが、実際のところアウトドアで使えるかどうかが気になるところです。
ル・クルーゼの公式サイトによると
Q:アウトドアでル・クルーゼの鋳物製品を使う場合のおすすめの熱源はなんですか?
A:アウトドアで使用される際はガスコンロや屋外用バーナーなど温度調節が可能な熱源をお勧めします。
ただし、風向きや天候により炎が安定しない状況では、十分に注意してご使用ください。
(引用元:ル・クルーゼ公式サイト)
Q:バーベキューコンロや焚き火、炭火、囲炉裏には使えますか?
A:バーベキューコンロや焚き火、炭火、囲炉裏等は時に非常に強い火力になるためホーローを損傷する可能性があります。ご使用される場合は、燃焼中の炭と製品が直接触れたり、炎が製品の側面を覆うことがないよう必ず熱源との間に十分な隙間を確保するようにしてください。空焚きは厳禁です。必ず製品の中に水分を含んだ食材を入れ、調理をしてください。
(引用元:ル・クルーゼ公式サイト)
とあります。
アウトドアで使えるけれど、ル・クルーゼ鍋の表面をコーティングしているホーローの取り扱いが難しいようです。
どのような注意が必要か?以下のポイントを参考にしてください。
- 空焚き厳禁
- 炭が直接触れないようにする
- 焚き火の炎が側面を覆うことがないようにする
- 強い衝撃を与えない
- 熱い鍋を冷たい水の中に入れない
- 硬いタワシ、漂白剤、クレンザー、メラミンスポンジは使用を避ける
- 長時間火にかけると取っ手が熱くなるのでやけどに注意
ル・クルーゼ鍋をおすすめする人・おすすめしない人
これまでの経験からル・クルーゼ鍋はアウトドアでも十分に使えると思っています。
しかし、取り扱いにコツがいるため、向き不向きがあるようです。
筆者の視点でおすすめする人、おすすめしない人をまとめてみました。
おすすめする人
- おいしい味にこだわりのある人
- 煮込み料理が好きな人
- お米をおいしく炊きたい人
- SNS映えする写真を撮りたい人
- 車など重たい荷物を運ぶ手段のある人
- フランスの文化に触れていたい人
おすすめしない人
- 重たいギアが苦手な人
- 荷物の軽量化を目指す人
- ダッチオーブンのように炭の上に鍋を直接置いたり、フタに炭をのせて使いたい人
- 鍋に傷をつけたくない人
- キャンプギアはラフに使ってこそ、と思っている人
【ル・クルーゼ鍋の選び方】公式サイトで自分に合ったタイプ&レシピを参考にしよう
ル・クルーゼ鍋は色や形のバリエーションが豊富で、いざ、購入しようとすると迷ってしまいます。
ル・クルーゼの公式サイトには、詳細な商品情報、レシピ、Q&Aまでわかりやすく整理されているので必読です。
▼公式サイト
鍋の選び方(サイズ・種類・調理方法など)
公式ページには「お鍋の選び方」というページがあり、サイズ、カラー、調理法から自分にぴったりのものが選べます。
「○人分、炊飯:○合。カレー:約○皿分」と参考になる数字も記載されているので大きさをイメージしやすく参考になります。
▼公式サイト「お鍋の選び方」
筆者が使っているのは「ココット ロンド 20cm (チェリーレッド)」。
そこには「2~4人分、 炊飯:3合、カレー:約8皿分」とありました。
実際にこの鍋で寄せ鍋を作ったときの材料は以下の通りです。
2人でおかわりを1回したので合計で4人分。お腹がいっぱいになりました。
- 白菜 1/4個
- しいたけ 4枚
- えのき 1/4パック
- まいたけ 1/3パック
- 春菊 1/3束
- にんじん 1/4本
- ネギ 1/2本
- 揚げ豆腐 1/3丁
筆者はアウトドアでル・クルーゼ鍋で料理するときはガスコンロを使います。
こうすると家と同じ感覚でストレスなく料理ができるので、初心者の方にはおすすめしたい方法です。
ル・クルーゼ鍋で作るレシピ
公式サイトでは、定番レシピをはじめ、パーティレシピ、白米の炊き方など、アウトドアクッキングにも応用できるレシピ多数。レシピはル・クルーゼ鍋のタイプ別に探せます。
▼公式サイト「ル・クルーゼで作るレシピ」
公式サイトで紹介されている筆者おすすめのアウトドア向きのレシピは
- ブイヤベース
- おでん
- ラムの蒸し煮~エスニックソース
- たっぷりキャベツと豚肉の塩麹蒸し
- トマトごはん
など。
料理の幅が広がりますよ。
使い込むほど愛着がわく「ル・クルーゼ鍋」!自分らしい使い方で料理を楽しもう
筆者も初めはル・クルーゼ鍋の重さに驚きました。しかし、使ってみるとどっしりと安定していて鍋をひっくり返す不安はゼロ。
フタも重たいですが、しっかり蒸気を閉じ込めるので、野菜は煮崩れせず本来の甘みを味わえるし、お肉もやわらかくおいしくいただけます。
まるで、自分の料理の腕があがったような気分になります。
また、料理が冷めにくいのも寒い日のキャンプにはぴったりです。
種類が多く安くないのでハードルが高いですが、一生モノとして大事にする価値はあります。時間をかけてゆっくり選んでください。
アウトドアでも家庭でも、楽しんで料理するのが一番です。
「作りたい!」「食べたい!」気持ちを大切にしながら、お気に入りのル・クルーゼ鍋を手に入れましょう。
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