まん延防止適用後初の週末 人影まばら、屋外施設には人出も

例年に比べ、大きく利用客が減った宇都宮餃子会の直営店「来らっせ本店」内=29日午後、宇都宮市馬場通り2丁目

 栃木県内は29日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」が適用されてから最初の週末を迎えた。再び客足が遠のいた観光地では「年末年始は人出が戻っていただけに残念」と落胆を隠せない。一方、一定程度の利用客がみられた屋外施設もあった。

 29日昼、宇都宮餃子(ぎょーざ)会の直営店「来らっせ本店」(宇都宮市馬場通り2丁目)の前に、人影はまばらだった。

 かつて週末の昼時となると50組以上が列をなしたが、コロナ禍で客数はほぼ半減。年末は一時回復したが、感染者数が増え始めた1月中旬以降、客足は再び落ち込んだという。

 同会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(49)は「今週末の人出を注視して、重点措置期間中の対応を考えたい」と前を向く。一方で「2年間同じ事の繰り返し。心はかなりすり減っている」と胸の内を明かした。

 足利市迫間(はさま)町の「あしかがフラワーパーク」は特別展示を実施中で、10~12月は個人客メインで歴代入園客数を更新するなど好調だった。しかし、正月を過ぎてから客数はコロナ前に比べ4~5割減少している。

 早川公一郎(はやかわこういちろう)社長(41)は予想以上の感染スピードに驚きながらも「安全対策に万全を期していく」と表情を引き締めた。

 一方で影響が少ない観光地も。同日正午、那須町大島のスキー場「マウントジーンズ那須」では800台止められる駐車場の7割近くが埋まり、県外ナンバーの車も目立った。

 利用客にはマスク着用を求め、ゴンドラは別グループとの相乗りを禁止するなど感染防止策を徹底している。

 土屋稚史(つちやまさし)支配人(50)は「個人客では影響が少ないが、学校など団体予約のキャンセルが相次いでいる」とため息。重点措置は2月20日まで続くだけに「かき入れ時と重なり非常に痛い」とこぼした。

 千葉県船橋市から夫婦で来ていた会社員男性(35)は「屋外なら感染リスクは低いと思い来た。食事も人混みを避けて持ち帰りにすれば心配ない」と話した。

ゴンドラ乗り場で列をつくる利用客=29日午後、マウントジーンズ那須

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