ジビエバーガーで町おこしへ 廃業建物を改装「鶴田商店」オープン 五島・玉之浦

オープン初日に餅まきがあった「鶴田商店」=五島市玉之浦町

 長崎県五島市玉之浦町の住民らでつくる同町未来拠点協議会(野澤努会長)は、地元で使われなくなっていた建物を改装し「鶴田商店」をオープンした。町おこしのメニューとしてシカ肉を使って開発した「ジビエバーガー」などを販売する。
 玉之浦教会近くの木造2階建て。周辺はかつて食料品や衣料品などの店が並んでいたが、高齢化や人口減少でほとんど廃業したという。同協議会などはにぎわいを取り戻そうと、約20年前に使われなくなった鶴田商店の建物を所有者に借りて改装。クラウドファンディングでも資金を調達し厨房(ちゅうぼう)などを整備した。住民に親しまれた屋号を引き継ぎ、看板もそのまま残した。
 目玉のジビエバーガーは、地元で捕獲、加工した新鮮なシカ肉を使用。トマトソースと、県立五島高生が考案したレモングラスソースの2種類がある。他にシカ肉カレーや、住民手作りのシカ皮の小物類、地元産野菜を販売。今後、販売品目を増やす予定。
 オープンした23日は、餅まきを実施。訪れた市民が早速、ジビエバーガーを買い求めたり、食事を楽しんだりした。同町で勤務経験がある市内の吉濱陽子さん(63)は「玉之浦に来るシンボル的な場所ができて良かった」、近くの有川弘子さん(81)は「子どものころよく来ていた店がまた、にぎわってうれしい」と話した。野澤会長は「地域に愛される店にしたい」と語った。


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