板倉区で毎年行われている「そばの寒ざらし」の引き揚げ作業が29日、同区上関田で行われた。
同区の光ケ原高原で昨秋収穫した玄そば約50キロを、同高原の清水に10日ほど浸し、同区内のそば店「いたくら亭」の店主が引き揚げた。玄そばは自然乾燥させた後、製粉する。
寒ざらしは10年ほど前、雑味がなく甘さが際立つとされる「寒ざらしそば」をイベントで提供しようと、地元の農家や特産物生産組合などが始めた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大などでイベントを開くめどが立たないことから、今年は同店の店主、下鳥大助さんが1人で行った。
玄そばを浸す場所は、集落で同高原に最も近い民家の軒先。清らかな水がホースを通して流れ込んでおり「良質な水が手に入り、作業の負担も少ない最適の場所」(下鳥さん)だという。
玄そばは天日と風にさらして数日間乾燥させ、その後屋内で広げて完全に乾かし、製粉することにしている。下鳥さんは「3月11日から13日の3日間と7月に、いたくら亭で味わってもらう機会を設ける予定。寒ざらしそばは人気があり、糸魚川市や長野県からも来客がある。楽しみにしていてほしい」と話していた。