カップル成立急増 長崎県の「お見合いシステム」 自宅閲覧機能の拡充が奏功

今月移転オープンした県婚活サポートセンター=県庁

 少子化対策の一環として長崎県が運用を始めてから丸5年を迎えた会員制の「お見合いシステム」で、会員登録数やカップルの成立数が急増している。昨年10月からの登録料半額キャンペーンや、自宅から写真を含む会員情報の閲覧や面会申し込みができる「自宅閲覧機能」の拡充が要因。運用に当たる県婚活サポートセンターは「手軽に利用できるようになったことが奏功した。これを機に会員やカップルの成立数をさらに増やしたい」としている。
 同システムは2016年10月に運用開始。県内で結婚を希望する20歳以上の独身者が対象。会員登録すると異性のプロフィルや写真を検索、閲覧し、気に入った相手に面会を申し込める。面会後、双方が同意すれば交際が始まる仕組み。

 ■600件超

 登録料は通常2年間1万円だが、半額キャンペーンを21年10月から今年2月末まで実施中。20年6~12月にも展開し会員増に効果があった。同センターによるとキャンペーン前、30人以下で推移していた新規登録者数が21年12月には150人超と大幅に増加。
 また、21年4~9月に月平均272.3件だった引き合わせ(面会)の申し込み件数も21年10月以降、月間600件以上に増えた。面会したカップル数も倍増。交際を始めたカップルの数は同11月47組、同12月53組と、それ以前の2.5倍程度に上った。
 情報の閲覧や申し込みは以前、同センターなどにある窓口でしかできなかったが、20年から顔写真以外の情報が自宅でも閲覧可能に。21年10月から、同意を得た会員の写真を含む情報の閲覧から面会の申し込みまで、自宅で行えるようになった。特に顔写真の自宅閲覧に同意している女性に、申し込みが寄せられやすい傾向があるという。

 ■課題も

 一方、同センターの運営を受託している「ながさき地域政策研究所」は、21年3月まで約4年半の成果分析を公表。会員総数3531人(退会者含む)のうち、1度以上カップルが成立した人は1288人で全体の36.5%、成婚は154人(77組)で4.4%だった。女性から面会を申し入れるとカップルが成立しやすい傾向があり、「自宅閲覧機能の追加で女性がよりアクティブになれば、マッチング率も上昇が期待できる」と指摘している。
 同センターは今月、長崎市尾上町の県庁2階に移転。久保山健司センター長は「自宅での顔写真閲覧に同意している会員は男性で約8割なのに対し女性は約5割にとどまっており、登録時の説明で同意を促していきたい。20代の男性会員が他の年代に比べ少ないことも課題で、若い世代にPRを図りたい」と話す。

自宅閲覧機能追加(昨年10月)前後の実績

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