2021年長崎県内貿易　赤字　1979年以降初　輸入は3年ぶり増　長崎税関

　長崎税関が21日発表した2021年県内貿易概況によると、輸出額は船舶類、再輸出品の減少で前年比18.7％減の1658億9600万円、輸入は鉱物性燃料の増加で同25.5％増の1935億1400万円。輸出は2年連続マイナス、輸入は3年ぶりプラス。差引額は比較可能なデータが残る1979年以降初の赤字だった。
　輸出は全体の約9割に当たる船舶類が同13.7％減の1481億8200万円。新造船は前年より6隻少ない45隻で、パナマ、ポルトガル向け貨物船の減少が影響した。再輸出品は同98.8％減で1億4500万円だった。
　輸入は全体の85.1％を占める鉱物性燃料が同31.9％増の1647億4千万円。オーストラリア、インドネシア産石炭の増加が影響し価格高騰が背景。穀物および同調製品はアメリカ産トウモロコシが増えたことで同59.7％増の61億1800万円だった。
　長崎港も79年以降初の赤字。輸出は同30.8％減の407億8900万円で2年連続マイナス、輸入は同11.3％増の415億9400万円で3年ぶりプラスだった。
　同税関は新型コロナウイルス禍の影響について「輸出入の主要品目である船舶や鉱物性燃料は（新型コロナで）増減が左右されにくく、判断しづらい」とした。
　21年12月の県内貿易概況も発表。パナマ、ホンコン向けの新造貨物船2隻があり、輸出額は前年同月比21.3％増の92億800万円。輸入額は同54.9％増の260億200万円だった。