【新型コロナ】神奈川県内の感染者数集計、転換期に 「自主療養」含まず

神奈川県庁

 神奈川県内の新型コロナウイルス感染者数の集計が転換期を迎えた。「第6波」のオミクロン株の急拡大を受けて始まった「自主療養」の数は、「感染者」の数として集計されないためだ。新規感染者数はこれまで緊急事態宣言発出などの判断の参考としても活用されてきたが、今後は感染者数だけでは県内の感染状況の正確な把握は難しくなる。

 県は発熱患者を診療する医療機関や保健所の負担軽減のため、全国に先駆けて「自主療養」の仕組みを28日から導入した。検査キットや無料検査機関での検査で陽性が判明した県民が対象で、6~49歳で重症化リスクが低いなどの条件を満たした人が、オンラインを活用して検査結果などを県のシステムに自ら届け出ることができる。

 従来はキットなどで陽性が判明した場合も、医療機関の受診が原則だった。診断した医師が感染症法に基づく発生届を患者ごとに提出し、県や県内の保健所設置市は発生届が提出された人数を「感染者数」として発表していた。

 しかし、県のシステムに届け出をして自主療養を選択した人は、陽性が判明していても医師による発生届が提出されていないため、感染症法上の感染者とは扱われない。自主療養中に体調が悪化し、医療機関を受診すれば発生届が提出される場合があるが、受診しないままだと感染者数の集計には含まれない。

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