漁業現場にクリーンエネルギー 平塚市が電池式推進船の試験走行

排気ガスを出さない脱炭素化の電池式推進船=平塚新港周辺

 平塚発の新エネルギーの実用化へ向けて一歩前進-。2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を目標に技術研究を進めている平塚市は31日、平塚新港で電池式推進船の試験走行を行った。地元の漁業関係者にも乗船体験してもらうなど、漁業現場の将来的なクリーンエネルギー化を視野に、開発を加速させる。

 同市はこれまで、平塚新港で波力電力の研究開発を推進。昨年9月には「企業版ふるさと納税」によるIT大手ヤフーからの寄付を受け、産官学が連携して漁業の脱炭素化を目指し、実証研究を重ねてきている。

 今回の実験は東京海洋大、平塚市漁業協同組合などの協力を得て、電池式推進船のデモンストレーションを公開。時速10キロ程度で約30分間、テスト航行した。

 電池式推進船は電池に蓄えた電力が動力源で排ガスを出さない。電気自動車(EV)にも使用される急速充電対応のリチウムイオン電池を使い、静粛性や運航性能も向上した。

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