元東京都知事で作家の石原慎太郎氏死去 89歳 4兄弟が自宅前で会見

元東京都知事で作家の石原慎太郎さんが、1日午前にすい臓がんのため死去したことが同日、わかった。89歳だった。長男で自民党元幹事長の石原伸晃氏ら4兄弟が、都内の自宅前で会見して明らかにした。

伸晃氏によると、慎太郎さんは昨年10月にすい臓がんが再発。そんな中でも執筆活動を継続し、年末には上・下刊の小説を完成させたという。伸晃氏は「これが俺の遺作だなとそんなことを話しておりましたが、先週まで執筆活動を続けておりまして、これから3冊本が出版されます」とも明らかにした。

次男でタレントの石原良純は「僕は、石原慎太郎という人は作家だと思っておりました。本当に最後、体が動かなくなっても、短い時間、1時間、2時間ですけど、その時間にワープロに向かっていた姿は、やっぱりまさしく文学者なんだなと」と述懐。「その分、家庭人といいますか、父親としてはかなりユニークな人だったと思います」と思いを吐露し、「僕らが言うのもなんですけど、一つの時代を築いた父でありますから、父がいなくなったあと、より僕らも頑張っていかなければならないと思います」と話した。

慎太郎さんの最期をみとった四男で画家の石原延啓氏は「呼吸が苦しそうだったので、ちょっと顔とか頭の方に手を触れていました。そうするうちに荒い呼吸が収まってきて、少しおとなしく眠ってくれるかなと思ったんですけど、そのまま呼吸がスーッと収まって、あっという間に息を引き取ったという感じです」と報告。「がんはとても痛いという風に聞いていて、それを非常に怖がっていましたので、息子としては、これで良かったのかなと思います」と複雑な心境を語った。

(よろず~ニュース編集部)

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