2試合合計32イニングなど Wヘッダーの各種記録を公式サイトが特集

カブスのレジェンド、アーニー・バンクスは「今日は野球日和だ。2試合やろうぜ!」という名言で知られるが、バンクスがプレーした時代は現在よりもダブルヘッダーが一般的なものであり、バンクスは「いつでも2試合できる」と公言していたほどだった。そのバンクスの名言にちなみ、メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングス記者はダブルヘッダーについての特集記事を公開。エリアス・スポーツ・ビューロー社の協力を得て、1900年以降の近代野球における各種記録を紹介している。

ダブルヘッダー2試合の両軍合計最多得点は、1939年7月4日のレッドソックス対アスレチックスで記録された54得点である。第1試合はレッドソックスが3回表までに10対0と大量リードを奪い、最終的に17対7で勝利。第2試合はアスレチックスが3対8から10対8と逆転したものの、ジム・テイバーが史上2人目となる1試合2満塁本塁打を記録するなど3本塁打9打点の大活躍を見せたレッドソックスが18対12で乱打戦を制した。

2試合の両軍合計最多安打は、1929年7月6日のカージナルス対フィリーズで記録された73安打である。このダブルヘッダーは2試合で両軍合計50得点を記録し、歴代3位タイにランクイン。これだけの得点が入ったのだから、当然のように安打も多かった。第1試合はフィリーズが10対6で勝利。フィリーズが13安打、カージナルスが15安打を放った。第2試合は1イニング10得点を2度もマークしたカージナルスが28対6で大勝。フィリーズが17安打、カージナルスが28安打を放ち、1試合28得点は2020年にブレーブスが29得点を記録するまで、近代野球におけるナ・リーグ記録として残っていた。

2試合の合計最多イニングは1964年5月31日のジャイアンツ対メッツで記録された32イニングである。第1試合は通常の9イニング試合となり、5対3でジャイアンツが勝利。しかし、第2試合は延長23回までもつれ、7時間23分という長丁場の試合となった。7回終了時点で6対6の同点だったが、そこから23回表にジャイアンツが2点を勝ち越すまで両軍とも無得点。ジャイアンツが8対6で熱戦を制し、10イニングを7安打無失点に抑えた5番手のゲイロード・ペリーが勝利投手となった。

ダブルヘッダーが2試合ともノーヒッターというのは過去に1度も達成されていないが、2試合とも7回以降までノーヒッターが継続されたのは1957年7月11日のカブス対フィリーズが現時点では最後である。第1試合はカブスのボブ・ラッシュが7回まで無安打に抑えたものの、8回裏の先頭打者に初安打を献上。第2試合はフィリーズのジャック・サンフォードが8回表一死から初安打を許し、快挙達成を逃した。

ダブルヘッダーが2試合とも延長戦(10回以降)にサヨナラで決着したのは1998年9月26日のフィリーズ対マーリンズが現時点では最後である。第1試合は3対3の同点で延長戦に突入し、10回裏二死一塁からデーブ・バーグのタイムリーでマーリンズがサヨナラ勝ち。第2試合は両軍無得点のまま延長13回に突入し、13回裏一死からマーリンズのアレックス・ゴンザレスが劇的なサヨナラ本塁打で試合に決着をつけた。

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