無垢な少女が育てた卵がかえる時 幸福な家族の仮面がはぎ取られる 「ハッチング―孵化―」公開決定

第38回サンダンス映画祭でプレミア上映されたホラー映画「ハッチング―孵化―」が、4月15日より劇場公開されることが決まった。

「ハッチング―孵化―」は、少女が孵化(ふか)させた卵が、絵に描いたような幸せな家族のおぞましい真の姿をさらしていく、フィンランド発のホラー映画。北欧フィンランド。12歳の少女ティンヤは、完璧で幸せな自身の家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすため、すべてを我慢して自分を抑え、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。やがて卵は大きくなり、ついに孵化する。卵から生まれた”それ”は、幸福な家族の仮面をはぎ取っていく。

主人公の少女ティンヤを演じるのは、1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ。母親を喜ばせるために自分を抑制する、この年代特有のはかなさや危うさを、初演技ながら演じきっている。母親役は、フィンランドで多くの作品に出演するソフィア・ヘイッキラ。理想の家族像を作り上げ、娘を所有物として扱う自己中心的な母親を演じている。メガホンを取るのは、長編デビュー作となる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。北欧ならではの明るく洗練された一家の中に潜む恐怖を、切り取ってみせた。

公開されたポスターは、ソファを囲んで寄り添う4人家族が切り取られている。だが、父親、母親、弟の顔は奇妙な仮面で覆われており、唯一顔をさらしているティンヤは巨大で不思議な卵を抱えているという、不穏なビジュアルとなっている。

予告編では、幸せそうな家族の姿を自らのブログで紹介する誇らしげな母親の姿から始まる。だが、1羽の鳥が家にまぎれこみ、母親の冷徹な一面が見えたところから雰囲気は一変。ティンヤは森で拾った卵を自らの手で育て、卵は次第に大きくなり、やがて孵化する。卵から出てきた何かをきっかけに、美しいフィンランドの町を舞台に、さまざまな恐ろしい事件が繰り広げられる様子が収められている。

【作品情報】
ハッチング―孵化―
2022年4月15日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次ロードショー
配給:ギャガ
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