ビデオが流出した教師 パンデミックを背景に「“卑猥”とは何か?」問う 「アンラッキー・セックス」予告

4月23日より劇場公開される、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した、ルーマニアのラドゥ・ジューデ監督作品「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」の、予告編が公開された。

公開された予告編は、ルーマニア・ブカレストで名門校教師であるエミが、「抗不安薬を。1錠でいいんです。今夜かなり緊張しそうで」と、薬局で薬を所望するシーンから始まる。そして、街をさまようエミの姿が、彼女に募る不安といら立ちが社会全体にまん延しているかのような一触即発な緊張感とともに描かれ、さまざまな映像がモンタージュで重ねられていく。さらには、夫とのプライベートセックスビデオが意図せずネット上に流出・拡散してしまったエミが出席する、緊急招集の保護者会の一端が収められている。

「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」は、夫とのプライベートセックスビデオが意図せずネット上に流出・拡散してしまった、ルーマニア・ブカレストの名門校教師であるエミを描いた作品。世界が同時に経験したパンデミックとその後の社会の閉塞感を背景に、“卑猥とは何か?”と問いかける。第一部では、エミが歩き回る姿を追いつつ、すれ違うコロナ禍の人々や街の顔を捉え、第二部では、膨大なアーカイブ映像やコラージュや、歴史、神話、映画監督、思想家らの格言やジョークが使われている。そして迎える第三部では、保護者たちによるエミに対する異端審問さながらの終わりなき“裁判”が描かれる。

過激な内容に日本での劇場公開は不可能と思われていた本作品だが、ラドゥ・ジューテ監督本人の手による追加編集によって公開が実現した。「監督〈自己検閲〉版」して公開される本作品では、ぼかしやカットを追加しただけでなく、シーンの要所要所に「見られなくて残念!」「検閲版だよ!」といった、アイロニカルで挑発的、ユーモアあふれるメッセージが、本編に映し出される。

【作品情報】
アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版
2022年4月23日(金)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
配給:JAIHO
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