高齢者の3回目ワクチン接種 長崎県内全市町、遅くとも10日までに開始

県内市町65歳以上への3回目接種開始時期

 65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が長崎県内でも本格化している。長崎新聞社が県内21市町に尋ねたところ、遅くとも10日までに全市町で高齢者への接種が始まる。1、2回目と違う製薬会社のワクチンを打つ「交互接種」への対応や予約方法の改善、寒さ対策など各市町は工夫を凝らす。
 県内の65歳以上の人口は約43万7500人。県によると1月30日時点で94%に当たる41万1166人が2回目接種を終えている。2回接種後、約半年で感染を防ぐ作用が強いとされる抗体価が大きく減少するため、国や各自治体、専門家らは3回目の追加接種を呼び掛けている。
 多くの市町が個別か集団かを選べるが、平戸、松浦両市は当面個別接種のみ。東彼東彼杵、川棚、北松小値賀、新上五島の4町は現時点で集団接種を予定している。
 3回目接種の特徴は交互接種が可能になったこと。これまで市町接種は集団、個別ともに米ファイザー製、職場接種や県の大規模接種はモデルナ製を使用したが、3回目は市町の接種でも二つのワクチンを使う。
 県によると、国が示している4月までの供給量は96万3360回分。内訳はファイザー45%、モデルナ55%。このため、ある自治体担当者は「(1、2回目にファイザー製を接種した人のうち)4割程度の人にはモデルナを接種してもらう必要がある」と話す。  昨年は都市部を中心に個別接種から始める市町が多かったが、今回はほぼ同時期が目立つ。諫早市の担当者は「集団接種体制を早く構築できたので接種券も早く発送できた」と話し、過去2回のノウハウの蓄積がうかがえる。
 予約方法を改善した自治体も多い。コールセンターへの問い合わせや予約の集中を避けるため佐世保や島原、大村、五島各市などは接種券を小分けにして送付。電話回線を増やしたり、対面で予約を受け付けたりしている自治体もある。
 西海市は寒さ対策として集団接種会場を各地区体育館から保健センターに移した。西彼時津町は集団接種会場の待機場所に風よけのついたてを設けたり、電気ストーブを置いたりする。


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