新たなシーズンに期待を寄せるウイリアムズ。F1開幕を前に知っておいたほうが良い5つのこと

 2022年シーズンは、ウイリアムズ・レーシングにとって新しい時代というだけではない。パドックの誰もが、興奮すること間違いなしのF1世界選手権に向けて準備を進めている。

 ニコラス・ラティフィとアレクサンダー・アルボンというドライバーペアも、すでにシリーズに向けてハードワークを始めている。2022年シーズンは、新しい世代のF1マシンと新しいサーキットがデビューする。人気のコースもカレンダーに復帰し、過去最多のグランプリが開催される。

 ここではそんな2022年シーズンに向けて知っておくべき5つのことを紹介する。

■新しいマシン

 レギュレーション変更により、2022年のグリッドはこれまでと全く違って見えるだろう。この変更の背景にはシンプルな理由がある。つまり、より良いレースを実現するというものだ。

 2021年までのマシンは純粋なモンスターである一方、大量のダーティエアも発生させていた。このせいでドライバーは、前のマシンの後ろについてオーバーテイクしようとするとダウンフォースを急激に失っていた。新型マシンは空力と安全性を重視し、ノーズ、フロントとリヤのウイング、そしてあらゆるパーツのデザインを一新している。これは全てコース上でのバトルを容易にするためだ。

 全マシンは、1.6リッター・ターボエンジンを備えたハイブリッドパワーユニットを使用する。パワーユニット自体はレギュレーション変更が行われなかった数少ない箇所だが、今シーズンはバイオ燃料の割合が5.75%から10%に増やされ、よりサスティナブルな燃料を使用することになった。

■記録的なシーズン

 2022年シーズンは過去最長になる予定だ。35週に渡って21カ国で23レースが開催され、6回のダブルヘッダーと2回のトリプルヘッダーがある。ウイリアムズのチーム全員にはマンモス級の努力が求められるだろう。このチャレンジの厳しさはこんなふうにまとめられる。私達は最初の5戦だけで4つの大陸を股にかけることになる。

 暫定的にではあるが、渡航制限によって2年間に渡って中断されてきたオーストラリア、カナダ、シンガポールそして日本でのグランプリがカレンダーに戻ってくる予定だ。これはラティフィがついにモントリオールでのホームレースに挑めることを意味する。

■大きいことは良いことだ

 新シーズンに向けてマシンデザインが大きく変わることに加えて、ピレリのタイヤも大きな変革を遂げる。30年に渡って使用された13インチタイヤに別れを告げ、18インチタイヤが導入されるのだ。

 低扁平率タイヤは、コンパウンドの改善によりオーバーヒートを抑え、ホイールトゥホイールのバトルでのパフォーマンスを向上させる。目に見える最も大きな違いはサイドウォールが狭くなったことで、新しいタイヤは一般的なロードカーのタイヤの見た目に近くなっている。

 さらに2009年以来となるホイールカバーの採用や、オーバーホイール・ウイングレットの登場も新しい点だ。

■熱気に包まれた街でパーティーを

 F1はマイアミに進出する予定で、5月にこのマジック・シティ(マイアミの愛称)を訪れる予定の私達は、この上なく興奮している。

 2022年の第5戦は、5.41kmに及ぶフロリダ州のマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催される。NFLのマイアミ・ドルフィンズの本拠地、ハードロック・スタジアム近くを周回するこの新しいコースは、19のコーナーと3つのストレートを持ち、マシンは時速320kmに達する見込みだ。10月にはオースティンでのアメリカGPも開催されるので、今年は史上初めてシーズンで2回アメリカに向かうことになる。

 F1はサンシャインステート(フロリダ州の愛称)でショーを開く方法を知っている。もし幸運にも初めてのマイアミGPのチケットを手に入れることができたなら、あなたはきっとがっかりすることはないだろう。ビーチでのパーティは一晩中、夜明けまで続くと聞いている……。

■未知の世界へ

 多くの変更を経て、2022年のF1は私達をワクワクさせるような未知のものにあふれている。そしてこれこそがこのスポーツの本当に美しいところの一つだ。

 しかし、一つだけ保証しておこう。ニコラスとアレックスはバーレーンのシグナルがブラックアウトしてからアブダビでチェッカーが振られるまで、全てを出し尽くしてくれることだろうということを。

2022年はメルセデスで走るジョージ・ラッセル。ウイリアムズに移籍するアレクサンダー・アルボン

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