「太陽の季節」マンホールカード増刷へ 逗子市「慎太郎さんの人気を実感」

「太陽の季節」記念碑をあしらった逗子市のマンホールカード

 1日に死去した元東京都知事で作家の石原慎太郎さんの小説「太陽の季節」記念碑を描いた神奈川県逗子市のマンホールカード。同市が先月15日に配布を始め、2週間ほどで用意した2千枚がなくなった。4千枚の増刷予定だったが、死去を受け、さらに6千枚の追加を決めた。今月中旬以降に配布を再開できる見通しという。

 マンホールカードは、下水道関係の企業や自治体が参加し、交流や普及啓発を行う「下水道広報プラットホーム」が企画・監修。各自治体が無料配布しているカードで、人気は高く転売も横行している。

 市下水道課によると、転売防止で、配布は1人1枚、手渡しに限定。平日は同課窓口、土日休日は警備員室で配っていた。初日の1月15日には午前8時半の開庁前から役所前に行列ができ、翌日と合わせ2日間で600人超が訪れた。一方で、大手フリマサイトでは1500円ほどで出品され、「成約済み」も目立つ。

 28日に在庫がなくなった。もともと継続配布が条件だったため、先月中に増刷を決定。ところが石原さんの訃報が伝えられると、問い合わせも増え、追加発注した。同課は「あらためて慎太郎さんの人気を実感している。今後は下水処理場見学の小学生にも配布したい」と話している。

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