映画「大怪獣のあとしまつ」紹介 あの怪獣映画のその後? 特撮社会風刺コメディ

圧倒的な 情報量と豊富な知識に裏打ちされた考察、流麗な語り口で人気のYouTube映画レビュアーの茶一郎さん。映画スクエアの公式YouTubeチャンネル「映画スクエア Topic」で連載公開中の、茶一郎さんの「超スピード映画紹介」から、最新の紹介動画と書き起こしをお送りします。

茶一郎の超スピード映画紹介 「大怪獣のあとしまつ」

アフター『シン・ゴジラ』の日本を描く特撮社会風刺コメディです。今回ご紹介する新作は『大怪獣のあとしまつ』

日本に現れた巨大怪獣の死体をどう処理するのか。河川に横たわっている巨大な死体は、腐敗によって今にもガス爆発をしそうな勢いで膨張をしている主人公たちが、極秘の「あとしまつ」ミッションに挑む物語です。

『シン・ゴジラ』のラストから繋がってるようにしか見えないこの物語を、東宝さんではなくて松竹・東映が共同作品として仕上げました。

ただ物語は『シン・ゴジラ』の序盤を拡張したような官僚主義を批判する政治風刺コメディ。この巨大怪獣の死体は燃えるゴミなのか、燃えないゴミなのか、生ゴミなのか、それによって処理を担当する役所が違うだろ!こんな風に分かりやすく、実際の政治家をモデルにしたであろうキャラクターたちが責任の所在を押し付けあう。明確なコロナ禍での政治についての風刺劇です。

監督を務めたのはドラマ『時効警察』の三木聡さんという事もあって、どこか政府の面々は時効管理課の面々と重なってきます。

『時効警察』的な深夜ドラマのナンセンスなノリは観客を選ぶかとは思いますが、『シン・ゴジラ』の非公式続編ということで、ぜひあわせてお楽しみ下さい。今回の新作は『大怪獣のあとしまつ』でした。

【作品情報】
大怪獣のあとしまつ
2022年2月4日 全国ロードショー
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会


茶一郎
最新映画を中心に映画の感想・解説動画をYouTubeに投稿している映画レビュアー

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