川崎の富士見公園の再編整備で基本計画  ジョギングコースや遊具を設置

富士見公園入り口に整備される広場のイメージ図(川崎市提供)

 川崎市は、2024年度中に開催される「全国都市緑化フェア」の会場となる富士見公園(同市川崎区、1.7ヘクタール)の再編整備基本計画を策定した。同公園は約80年前に造られたため施設の老朽化が進んでおり、利便性を高めるためにも大規模リニューアルに踏み切る。市は緑化フェア開催前に大部分の整備を完了させる方針で、「都心のオアシス」として再生を目指す。

 基本計画によると、公園西部に位置する入り口付近の駐車場を広場として整備し、公園中央の川崎競輪場東側に立体駐車場を設置。公園に隣接する市教育文化会館を取り壊して機能を市立労働会館に移すなどして新たに用地を確保し、障害者も遊べるインクルーシブ遊具を設置した広場などを整備する。

 また園内を「文化・教育」「スポーツ」「憩い」などのエリアに分け、プロムナードやジョギングコースでつないで回遊性の向上を図る。植栽を増やし、緑豊かで開放的な空間をつくり、季節ごとにイベントも開催して市民の憩いの場として利用してもらう考えだ。

 同公園は1940年に市内初の都市公園として供用開始。その後、競輪場や球場など各種施設が整備され市民らに親しまれてきた。しかし、現在は老朽化に加え、ニーズの多様化によって利便性も課題となっていたという。

 そこで市は、建ぺい率について定める市都市公園条例を3月に改正して上限を12%から20%に緩和し、園内に飲食施設などを新設する。一方で、整備後は指定管理者制度を導入し、シャワー室や新たに整備される多目的広場などは有料とする。

 市みどりの保全整備課は「市民が生き生きと活動できる場として整備し、公園を再生させたい。整備後もにぎわいの創出や魅力の向上に取り組んでいく」としている。

 市は2023年4月に着工し、緑化フェア前に一部を除いて工事を終える予定で、27年度中の完了を目指す。

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