選手会が調停を拒否 「合意への道は交渉のテーブルに戻ること」

メジャーリーグ選手会は、メジャーリーグ機構が連邦調停局に労使交渉の支援を要請したことを受けて声明を発表し、調停を拒否することを明言した。労使交渉が難航するなか、機構側は選手会の主張への対案を提示せず、労使交渉の解決に向けて連邦調停局に支援を要請。関係者によると、機構側はシーズン開幕延期を回避するために最適な方法が調停であると考えており、中立的な第三者が交渉プロセスを加速させることを期待していたという。これに対し、選手会は「合意への道は交渉のテーブルに戻ること」と機構側の調停要請を一蹴した。

選手会は次のようなコメントを発表した。「ロックアウトが始まってから2カ月が経ちました。オーナー側は対案を提示すると選手たちに約束してからわずか2日後、対案を提示することを拒否し、代わりに調停を要請しました。選手会役員と協議し、様々な要素を考慮した結果、我々はこの要請を拒否することを決めました。公正かつタイムリーな合意への最も明確な道は交渉のテーブルに戻ることです。選手たちは交渉する準備ができています」。

選手会からのコメントを受け、機構側の広報担当者は次のようなコメントを発表して反論した。「我々の目標はスプリング・トレーニングとシーズン開幕日に選手がフィールド、ファンが球場にいることです。キャンプ開始まで2週間を切り、双方の主張の相違点を解決して行き詰まりを打破するために、連邦調停局の支援をただちに受けるべき時期になりました。溝を埋めて合意を促進するために公平な第三者が関与することが最も生産的な道であることは明らかです」。

機構側はさらに「合意を望んでいる当事者が調停を拒否する理由は理解しがたいです。連邦調停局はプロスポーツ界における多くの成功例を含め、こうした紛争の解決を任務としています。メジャーリーグ機構はテーブルで解決策を提案し、双方にとって公正な合意に達することができるよう、引き続き尽力していきます」と述べた。話し合いが必要なテーマは多く残されているが、無事に2022年シーズンの開幕を迎えることはできるのだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.