郷愁漂う「風の画家」の世界へ 中島潔展が開幕 壱岐・一支国博物館

内覧会で作品を解説し、自らの思いを語る河合副館長=壱岐市、一支国博物館

 長崎県壱岐市芦辺町の市立一支国博物館で4日、「風の画家」とも呼ばれる中島潔の絵画展「新しい風~四季の詩~」(同館主催、長崎新聞社共催)が開幕した。原画38点を展示している。
 2011年に大病を患い、東日本大震災を経て立ち直ろうと描き上げられた作品「空」「風」のほか、四季の詩(うた)のシリーズの童画を季節ごとに展示。中島さんはビデオメッセージで「故郷や子どものころを懐かしみ、(その当時の記憶を)よみがえらせてほしい」と語りかけている。
 鑑賞に訪れた市立初山小6年の山口怜奈さん(12)は「目の中の光などこだわりがあって故郷を思う気持ちがとても伝わってきた。大胆な色を使った配色で迫力がある絵に仕上がっていて心に残った」と話した。
 3日は内覧会があり、河合恭典副館長は「画家生活50周年を迎えた中島の作品は、パステル調の明るい色彩の中に懐かしさだけではなく、哀愁・郷愁を感じ、壱岐市では通常見ることができないもの。多くの人に見に来てほしい」と語った。
 同展は3月27日まで。観覧料は一般600円、65歳以上500円、小中高生300円、未就学児・障害手帳保持者とその介助者1人は無料。当日券のみ。問い合わせは同館(電0920.45.2731)。


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