ヤン・マグヌッセンの元僚友が新チーム移籍。マッドブルはホンダにスイッチ/TCRデンマーク

 TCRデンマーク・シリーズでLMレーシングに所属し、元F1ドライバーで“耐久の鉄人”ことヤン・マグヌッセンの僚友を務めてきたニコライ・シルベストが、2022年に向けた新たな参戦体制をアナウンスした。地元に拠点を置く新チーム、グリーン・デベロップメントとともにフル参戦しつつ、TCRヨーロッパ・シリーズの数戦にもチャレンジするプログラムを発表している。

 また、2020年のシリーズ創設以来参戦を続けるマッドブル・レーシングは、これまで走らせてきたクプラからスイッチし、新たにJASモータースポーツからFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRを購入し、新シーズンに投入することも明かしている。

 2021年もクプラ・レオン・コンペティションTCRをドライブして年間3勝を挙げ、ランキング4位に入ったシルベストは、当時コルベット・レーシングのファクトリー契約ドライバーだった同郷の先輩に見出され、ラルブル・コンペティションからWEC世界耐久選手権のLMGTEアマクラスに参戦。その後はブランパン耐久シリーズやADAC GTマスターズなどGT3カテゴリーを主戦場に活動を続けてきた。

 そして2020年に母国で創設されたTCR規定ツーリングカー選手権では、師でもあるマグヌッセンのチームメイトとなり、初年度のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRからつねに優勝戦線に顔を出す存在として活躍を演じてきた。

 そのシルベストは今季、新興Green Developmentのために新車のCUPRA León Competición TCRをドライブし、地元デンマークのシリーズと欧州最高峰のリージョン選手権へスポットで挑戦するプログラムを始動する。

「2022年の計画に関して、ようやくその一部を提示できて良かったし、その内容も非常にクールだと感じている。素晴らしいシーズンになるだろうね!」と、自身のSNSに綴ったシルベスト。

 新しく結成されたこのグリーン・デベロップメントは、昨今の社会的課題として世界の関心事に浮上する持続可能性と、SDGs(持続可能な開発目標)を取り巻く事業に関連して、デンマーク自動車スポーツ連盟(Danish Automobile Sports Federation/DASF)からのサポートを受けることが決まっている。

 チームがリリースしたステートメントでは「チームは基本原則として、ドライバーとチーム内のすべてのクルーのために、環境に配慮した持続可能なテクノロジーとソリューションを使用する。目標は、モータースポーツのプラットフォームを活用して、環境に優しい未来の開発に積極的に貢献できるようイニシアチブを握ることだ」と、その活動目標が記された。

 一方、2021年はLMレーシングと同じクプラを投入しつつも、ドライバーズランキング16位に終わっていたキム-ルンド・ヨハンセン率いるマッドブル・レーシングは、新たにホンダ陣営へのスイッチを決断し、新造されたシビック・タイプRで新シーズンに臨むことをアナウンスした。

「2022年は我々にとって“ビッグ・シーズン”になるだろう。昨年は技術的な分野を機能させるため多くの時間を費やし、シーズンの終わりに向かって徐々に結果が出始める展開になった」と振り返ったヨハンセン。

「ホンダとJASのサポートにより我々はすぐにスピードを上げ、2022年にはトロフェオドライバー間で争われるトロフィーのため、戦う準備ができたと期待しているよ」

LM Racing(LMレーシング)に所属し、元F1ドライバーで”耐久の鉄人”ことヤン・マグヌッセンの僚友を務めてきたニコライ・シルベスト
2021年もCUPRA León Competición TCR(クプラ・レオン・コンペティションTCR)をドライブして年間3勝を挙げ、ランキング4位に入った
2022年は地元デンマークのシリーズと欧州最高峰のリージョン選手権へスポットで挑戦するプログラムを始動する
新旧のCUPRAでシリーズを戦ってきたMadbull Racing(マッドブル・レーシング)のキム-ルンド・ヨハンセン

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